闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.522
2008年12月29日

 

「力強い日本の幕開け」

 多難な平成20年、お世話になりました。また、新しい平成21年を迎え「力強い日本の幕開け」となるよう景気対策を中心に、国民の生活、命を大切にする政治へと、精一杯取り組んでまいります。

 

●政権交代で閉塞感を打破

 アメリカは共和党ブッシュ政権から「チェンジ」を掲げて民主党オバマ政権に変わります。ニュージーランドも変わりました。ヨーロッパ諸国でも次々と変革が起きています。サブプライムローンに端を発した世界的な景気減速からの脱却には、思い切った変革が必要です。
 長く続いた自民党一党体制が官僚丸投げの永田町政治を生み、それに起因する税金のムダ遣い、天下りが日本の政治を腐敗させ活力を削いでしまいました。ねじれ国会といわれる中で、政治に閉塞状況が生まれたのは「民意を政治に反映させて」との国民の切なる思いから生じた、むしろ政治の健全化を願う表れです。民意置き去りの官僚依存政治から国民主導の政治へと、日本の政治も大きく変えていかなければなりません。そのために政権交代が必要です。

 

 

●景気を悪化させた選挙の先送り

 一刻も早い政権交代こそ最大の景気対策につながると信じ、次期衆院選を政権交代可能な選挙と位置づけて闘ってきました。安倍、福田と政権を放棄し、これを引き継いだ麻生総理には選挙で国民の信を問うことを期待。ところが総理は政治空白を生むからと、「政局より政策」を口実に選挙を棚上げし、効果的な景気対策も打たず、国民の期待を裏切って総理・総裁の椅子と自民党の政権維持だけに躍起となっています。
 「自民党政治が行き詰ったら、一度民主党にやらせてみよう」、国民はそんな思いで、選挙に臨む度量の広さと決断力を総理に求めたはずです。ところが急激に悪化する経済環境の変化にも鈍感で、危機感はまったく感じられません。国民の真を問うのも、景気の好転を期待するのも無理なのです。
 後期高齢者医療制度が導入されて、医療問題における小泉改革のツケも一挙に表面化しています。また、行き過ぎた規制緩和が格差問題となって、雇用環境を大きく歪めてしまっています。

 

 

●非正社員を救う最優先の雇用対策

 一円高、株安、そして原油高による物価高騰の3重の苦しみが国民生活に大きな打撃となり、原材料費の高騰で企業収益が圧迫されるなど、世界同時不況で日本経済も厳しい状態に陥っています。
 特にモノづくりは深刻で、輸出が従来の40%減となり、その結果非正規社員は仕事を失い、住宅を追われ、100万人近い人たちに影響が及ぶと予想しています。この深刻な状況にも対策は遅れています。野党提出の緊急雇用対策関連法案が与党の数の横暴によって否決されてしまいました。これはまさに、麻生自民党政権が国民不在の政治を行っていることの象徴なのです。

 

 

●ゼロから見直し 硬直的な予算配分

 第2次福田内閣では予算案の日程を決めておきながら突然の辞任。選挙の顔として誕生した麻生総理も足もとが定まらない政局運営を続けています。その中で88兆5000億円余の来年度予算案が提出されました。税収が約46兆円と予算の半分しかない状態の中で約33兆3000億円が国債(借金)に頼る大盤振舞いとなり、借金の総額は800兆円を超え、国民1人当たりに換算すると約630万円になっています。国民の平均年収480万円から考えると大変な額です。企業なら債務超過、倒産です。これを抜けだすには徹底したムダの排除と硬直化した予算配分をゼロから見直すこと。そして、予算の使われ方にも注意が必要になってきます。

 

 

●求められている命を大切にする政治

 障がい者自立支援や老齢・母子加算、国民年金など、命と福祉に関する予算は削られて負担だけが増え続けています。このような政治に対し、私は命を尊重する政治こそ大切だと思っています。
 ペットボトルのキャップ800個で1人分のポリオ・ワクチン(20円)を買うことができるそうです。これだけでは開発途上国の子どもをポリオの感染から1人しか守ることができません。しかし命の尊さを考えたとき、一つ一つのキャップの回収こそ意味あることなのです。なぜなら、20円の募金は簡単ですが、それではポリオを思うのは寄付をしたほんの一瞬です。私は、事務所の片隅に置いた回収ボックスにキャップを入れる度に、過酷な環境で生きようとする小さな命を思うようになりました。
 家庭や職場の思いを地道に集めて国に届ける、私が進める政治の道にも相通じます。政治にもみなさんの協力とお互い助け合う気持ちが必要なのです。