国政リポートNo.514
◆惑わされるな人気取りの自民党総裁選 9月1日防災の日、突如、福田総理が退陣を表明しました。参議院で野党が民意として総理の不信任決議案を可決した時には辞めなかったのに「ほかの人に(総理を)やってもらったほうがいい。お世話になりました」と、今回の唐突な辞意表明は、まったく無責任と言わざるをえません。安倍さん同様わずか1年、「総理、あなたもか」との虚しい思いと、怒りが込み上げてきます。洞爺湖サミットでは世界から大きな関心が集まり、曲がりなりにも議長国としての役割を果たしました。そして、安心実現内閣として第2次福田内閣をスタートさせ、9月12日からの臨時国会を開くことまで決めたばかりです。それなのにわずか1年で辞めてしまう。「総理の責任」を、一体どのように考えているのでしょう。物価対策、年金問題、後期高齢者医療制度、公務員改革など、早急に議論をつくさなければならない案件はたくさんあるはずです。
◆国民はもう騙されない 9月1日に、改めて物価の高騰が新聞各紙で報道されました。値上げは生活必需品にとどまらず、自動車、テレビなどの高級品にまで及んでいます。総理を辞めようとしたのは景気対策がうまくいかなかったからなのか、これから開かれる臨時国会で議論を深める民主党を手ごわいと感じたからなのか。自分が行き詰ったから「できません」と、能力のなさを認めるのなら、それはそれでいいでしょう。しかし民主党が話し合いにのらないからと、責任を野党に押し付けるのは責任転嫁で筋違い。議論も話し合いも、国会において、いくらでもできるはずです。
◆衆院選には冷静な判断を 総理には国民の苦しい台所事情がわかっていません。ガソリンの値上げでも、投機による原油高騰で「原油高は世界的傾向だから仕方ない」と、まるで他人事。暫定税率を廃止すれば安くできるガソリンを、税源が確保できないからと役人の言うままに、衆議院の数の勢いで暫定税率を復活させてしまいました。そのために物価が上がり続け5、6、7月の3ヶ月をみても、どれだけ日本の資金が海外に流出したことか、国家の大損失です。
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