夏本番を迎え、「地球温暖化かな」と思わせる猛暑が続いています。環境問題中心の洞爺湖サミットも終りましたが、その成果は期待外れ。温暖化で北極の氷が溶けはじめ、海水の流れも変わり生態系に変化がみられるといいます。今後、環境問題に本気で取り組んでいかないと大変なことになってしまうかもしれません。
温暖化と地震との相関関係は別問題ですが、東北地方を相次いで襲った地震。猛暑、洪水、干ばつ、突風など、気候変動、自然災害は地球上の営みに対する自然界からの警告ではないかと思うのです。
温暖化の原因、温室効果ガス(CO2)問題は地球環境のみならず、今回の原油高騰が世界経済を減速させていることでもわかるように、環境とエネルギーとは経済発展に密接な関わりをもっています。原油が世界経済を牽引するエネルギー源であることは確かです。しかし今、原油などの化石燃料に頼らない脱CO2の流れが活発化しているのも、必要に迫られた時代の流れなのです。
北京オリンピックでも電気をエネルギーにしたシャトルバスの運行を計画し、約300キロ走れるようになったといいます。日本の技術も組み込まれています。これは温暖化防止と併せ、代替エネルギーが経済政策として取り上げられた具体例です。このような取り組みを、今後、連動させて考えていかなくてはいけないのです。
また、我が国の食料自給率は39%です。危機的状況にある食問題も議論は不十分でした。食料も環境問題も同時に経済政策に連動しています。エネルギーと合わせ、一体化した問題として真剣に取り組んでいく必要があるのです。
●暮らしの厳しさを実感できない福田総理
ガソリンがリッター190円台に突入したことで、中小零細企業の経営環境が悪化し、倒産が増える結果となって国民の暮らしに多大な影響を及ぼしています。私たちはガソリンの暫定税率を凍結するなり、値下げが必要だと、訴え続けていますが、いまだにその動きはありません。
総務省発表で6月の消費者物価指数が前年同月比で1・9%増と、近年稀に見る高い伸びを示しました。灯油が約42%、スパゲティ33%、食パン19%の値上がり率を思うと、実生活では政府が発表する数値より、かなり悪くなっているはずです。景気対策への政府の消極姿勢、そして物価の値上がりを「仕方ないこと」と片づける福田総理の言動と無関心さが景気を更に悪くしているのは明らかです。個人消費を冷え込ませるとどういうことになるのか、総理はその深刻さをまったくわかっていないのです。
賃金が増えない中での公共料金、物価の上昇。税金は上がる、年金は下るのに、それでも政府の経済政策は見えてこないのです。物も売れないで景気がよくなるわけはありません。買い控えどころか、買えないのが実状です。物価上昇と景気の悪化が同時進行するスタグフレーションの危機に足を踏み入れていることすら認めようとしません。それは自らの経済政策の失敗を認めることになるからなのです。
●選挙目当てで変節をはじめた自民党
政府は景気が悪くなっているのに、何ら有効な対策をとろうとしていません。「赤ちゃんからお年寄りまで、国民一人当たり約700万円の借金を抱えている。だから減税より増税だ」と、税金を取ることしか考えていないのです。ちょっと待ってください、借金を増やし続けてきたのは政府、自民党のとってきた政策なのです。
間違った政策をとり続ける国会議員は自分の生活に困っていないからでしょうか、派閥ごとに研修会名目で軽井沢に行ってみたり、海外視察に出向いてみたりしています。景気が悪く増税で、国民がこんなに苦しんでいるのに、国会議員にそれだけの余裕と暇があるのなら地域、企業をくまなく歩き、国民生活の厳しい実態を見聞きし、体で受けとめて閉会中審査を行うべきです。経済は生き物です。役人任せにせず、議員自らが夏休み返上で現場調査をして、実状に即した景気対策を即刻とって欲しいのです。これが本来の政治の姿ではないでしょうか。
望まれる政策とは生活の現場から生まれるもの。それが分かっていないと机上のプランだけに終ってしまいます。総理は明らかに国民の暮らしと相反した政治を行っています。その政策がガソリンの暫定税率であり、年金であり、負担だけが重税となって国民に跳ね返っているのです。
総理の判断間違いに危機感を持つ自民党は、次の選挙は戦えないと、私たち野党が主張しても財源がないから駄目だといってきた70〜74歳の前期高齢者の医療費窓口負担の引き上げ凍結、後期高利者医療制度の見直しを口にしています。また、社会保険庁の解体に伴う懲戒職員の有期雇用を全員不採用にするなど、どちらが野党かわからないことを、なり振り構わずにやりだしているのです。