闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.502
2008年3月24日

◆官僚政治から決別せよ

●道路特定財源の一般財源化、暫定税率の廃止、
 日銀同意人事は官僚政治との闘いだ。

 政府、与党は日銀総裁を決めることができずにいます。総裁人事は福田総理の専権事項であり、野党が対案をだす問題ではないのですが、この人事で総裁が決まらない原因は民主党が拒否し続けるからで、総理は「なぜ反対するかわからない」と私たちの対応を非難しています。総理が首をかしげることで非は民主党にありと国民にアピールしようとの狙いでしょうか。マスコミも連日「総裁の空席は許されるべきではない。空席回避を考えるなら政府の代替案を大局的な見地から受け入れるべき」と、民主党を名指しで非難する社説まで掲載しています。また、総裁空席は金融市場の混乱、経済への悪影響、国際社会での信用失墜を招くと、脅し文句を並べ立てています。なぜ政府は、ギリギリになって私たちが飲めない案を2度ならず3度までもだしてくるのでしょう。政府、与党こそ事態を深刻に考えているとは、到底思えないのです。
 そもそも、なぜ私たちは政府、与党案に反対なのか。その一つは小泉総理のときに財務省(旧大蔵省)と日銀の立場を明確にするために、また世界を視野に金融全体をみなければいけないとの観点から財政と金融を分離し、独立性を持たせるとした方針が打ち出されました。二つ目は天下りを禁止する法律までだしたことです。ところが今回の人事をみると、財務官僚が何とか天下り先の日銀ポストを死守しようと、政府、与党を巻き込んで躍起となる姿が如実に表われているのです。
 「空席は異常事態」と、政府は危機感をあおっています。その通りで総裁席は早く埋めなければなりません。しかし、安易な妥協を許すと悪しき官僚支配が続くことになってしまいます。時代に合わなくなった官僚政治から決別するためにも絶対に譲れない一線です。日銀は組織で動くもの。私たちは今回決まった副総裁でも充分総裁に足る人事だと受けとめています。

 

 

●健全性を保つ財金の分離。

 景気対策のためだと、日銀のとったゼロ金利政策。その間に国民が受けとるべき金利が大幅に目減りしてしまいました。国民にとっては大損失です。この分を消費にまわし購買意欲を高めていれば日本経済はとっくに回復できたかもしれません。これをさせなかった財務省。850兆円にも膨らませてしまった借金の金利だけを第一に考え、国民生活までも束縛してしまったのです。財務省と日銀が一体となってやってきた消費を抑え込むゼロ金利政策が、景気回復に長引く影を落すことになってしまったのです。財政と金融を分離し独立性を確保することで国民の暮らし、日本経済の健全性が保たれていくのです。

 

 

●道路特定財源の時代は終った。
 環境、子育て等にこそ特定を!

 官僚政治との決別が今こそ不可欠です。しかし官僚との間に深いつながりを持つ自民党には切り離すことはできません。今でも道路族が59兆円の道路整備計画を10年延長しようとしているのです。
 道路特定財源は田中総理のときにつくられました。以来、国土交通省は自分たちの権益を行使するために特定財源を手放そうとしません。また、暫定税率は福田総理の父、当時の福田赳夫蔵相がオイルショックのとき景気対策としてとられた政策で、文字通り2年間の暫定でした。これが今もって恒久的に続いているのです。
 国には所得、法人税などからなる一般会計と役人が権益を守りながら、自由勝手に使える特別会計の二つの財布があります。一般会計は30数兆円の赤字国債を発行しながら、約84兆円の国家予算を組んでいます。その一方、特別会計にはプール金が250兆円もあるのです。特別会計のムダが指摘されても、国民が納得できる説明は成されていません。まして、今や道路だけが特定ではありません。特定というのなら、これからの時代に必要なのは環境、子育て、そして年金・医療・介護の福祉にこそ特定が必要になってくるはずです。食の安全、教育も同様ではないでしょうか。

 

 

●役人の権益を守る暫定税率。

 原油高騰はガソリンの値上げにつながりそれにかかる税率も必然的に上がります。ガソリンの値上げは輸送費に大きく影響し物価高となって国民の暮らしにはね返ってきます。輸送費の値上がりは運送業者に儲けをもたらすどころかガソリンは上がる、荷主からは価格を抑えられるで板挟みの状態となり、倒産に追い込まれる厳しい状況下にあるといいます。景気が低迷し低成長下での生活関連品の値上がりが経済に悪影響を及ぼすことは明らかです。それにも関わらず。役人が権益を守るためガソリンの本税にさらに高い税率を掛けた暫定税率を続けようとしているのです。
 税の痛みを国民が背負っている現実を直視し、これを正さなくてはなりません。官僚が天下って給料が2割3割アップする、また、渡りを繰り返して退職金も3年で3000万円などと、不公平、理不尽な税のあり方に国民は怒りを示すべきです。ムダ遣いを繰り返す自分勝手な官僚政治を許してはならないのです。