闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.501
2008年3月10日

 道路利権を手放そうとしない国土交通省、組織の保身に走るイージス艦衝突事故を起こした防衛省。どちらも国民の生命財産と平和を守らなければならないのに、省益を守ることに躍起です。厚生労働省も年金や薬害で同じこと。国家国民の暮らしと安全を第一に考える役人の気高さは何処へいってしまったのでしょう。役人は国民にとって役にたつ人、役所は役にたつ所でなくてはならないはずです。

 

◆税金のムダ遣いをなくせ。税の配分を見直せ。
 天下り財源とムダ遣いの温床、特定財源をなくし
 
二つの財布(一般会計と特別会計)を一つにせよ。

 原油高騰に苦しむ中、輸送業界の悲鳴が日に日に強くなっています。上昇幅に応じた料金値上げもやむを得ないギリギリのところまできています。その中でガソリン税25円の値下げは制見直しの象徴です。物価の上昇を抑えるためにもコストアップにつながる道路特定財源と暫定税率は廃止すべきで、国民はもっと税の配分に当事者意識を持つべきなのです。

 

 

●税制の見直しが不可欠

 08年度予算案とガソリン税などの税制関連法案が民主党の反対を押し切って衆院で可決、参院に送られました。自民与党の強引な採決は30日以内に参院で議決しない場合の自然成立(憲法60条)をねらったもの。しかし、予算の骨格は通っても関連法案が通らなければ施行できません。政府の考え方はまったく変わっていません。参院で民主党が多数を占めたことで、いままでのような乱暴なことはできなくなったはず。しかし、スケジュール闘争みたいなことをやっているのです。道路特定財源、暫定税率などの税制度をいじられると困るのは自民党と官僚です。道路の特定財源を認めるなら、たとえば年金、医療、介護など、福祉にも特定財源を考えていいのではないか。少子化が進めば国の活力が減少していく。少子化対策、小児科医療も特定財源が必要なのでは? 環境税が検討されています。これにも特定財源が必要。食糧自給率を上げ、食の安全を守るには生産者への戸別補償も必要。ここにも暫定税率なり特定財源の考えが及びます。今後10年間、道路だけを特定財源で残しておいていいのでしょうか。道路を国策の第一と考えた時代背景と、今は社会情勢が確実に変わっているのです。つまり道路だけでなく、あらゆるものへの税の取り方、使い方を見直すときがきているのです。
 地方へのひも付き補助金をやめれば税金のムダ遣いがなくなることを地方の首長は知っているはずです。ところが、改革派首長も国ににらまれたら補助金を減らされると無言の圧力に屈し、自分の政策を放棄するようなことまでいいだしています。地方分権をいうなら、何が一番大切なのか思い起こすべきです。政府の予算原案ができれば右へ倣えでは、日本の改革など、できるはずもありません。

 

 

●国会混迷は民主政治の表われ

 「空転国会、このままでは大変だ」と自民党与党は危機感をあおっています。また、日銀総裁人事でも、「任期が切れる19日までに新たな総裁が決まらなければ日本経済は大変だ。世界からも物笑い、恥ずかしいことだ」という。しかし、もともと世界経済をおかしくしたのはアメリカのサブプライム問題です。
 今までのように、一党支配で波風立たない政治はいいことでしょうか。このためにチェック機能が働かず、民主政治に澱みが生じてしまったのです。ぬるま湯に漬かった政治家が多くなり、その結果、官僚が政治を操ることになってしまったのです。
 マスコミは「国会を空転させるべきでない」と、批判の矛先を民主党に集中させています。これからの日本を考えるなら甘んじて批判を受けるとしても安易な妥協は許すべきではないのです。日本は今、民の力で政治を変えるとき。そのためにも日銀の総裁選びは産みの苦しみを味わってでも、余りあるものがあると思うのです。
 バブルが起きたとき、日銀は金利を上げようとした。ところが、アメリカに金利を下げろといわれ、大蔵省の役人が日銀の政策委員会で発言し、金利を下げ続けることになったのです。その結果、猛烈なバブルが起き、これが弾けて日本経済は10年以上も苦しむことになり、未だ苦境から抜け出せないでいるのです。その反省があって日銀の自立性を高めようと、財政と金融の分離政策がとられたのです。もともとは自民党の主張なのに、これを覆すことを平気でやろうとしているのです。
 政府と自民党は新たな日銀総裁候補に財務省と切れた人事を行えばいいのに元大蔵省出身者を推しています。この人は小泉自民党政権と一体となって天下りをゴリ押しし、そして高齢者控除の廃止、定率減税の打ち切りなど、世論の声を無視する形で恒久減税を増税路線へと、180度転換させた張本人なのです。
 「民主党が反対しているのに自民党は体を張って財務省出身者を総裁に推す。推された人は自民党に恩義を感じるようはことはないのか。政策決定に自民党の意向が入るようなことはないとも限らない。そうなると財務省出身者でない方がいい」との声も聞こえています。
 旧大蔵省と日銀が交代で総裁の席に就く、いわゆるたすき掛け人事。「役人に配慮した政治」、これが今まで罷り通ってきた自民党政治の偽らざる姿なのです。