闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.500
2008年2月25日

◆急げ! 官僚制度の改革を

 年金問題も道路特定財源や暫定税率維持も、利権を手放したくない生き残りをかけた族議員と役人の抵抗だ。イージス艦衝突事故でも情報を明らかにしない防衛官僚の保身が目立つ。官僚に操られる自民党政治、官僚制度の改革が必要だ。

 

 

●まさか房総沖でテロなんて
 見直せ! 日本の平和ボケ

 最新鋭のイージス艦が衝突事故を起こしました。絶対あってはならないこと。政府は被害に遭われた関係者への細心かつ最大の配慮をお願いしたいと思います。
 今回の事故は1988年に起きた「なだしお衝突事故」や、かつて日本のレーダーに感知されることなく飛来した旧ソ連軍戦闘機の教訓が生かされていたのでしょうか。最新鋭の装備に頼り切る危うさ、希薄な危機管理意識が重大な事故を招いてしまったのではないでしょうか。
 事故が起こるたび、どんなに綱紀粛正を唱え、情報伝達の徹底を促しても、国防を預かる現場の指揮官、自衛官が国の定めた管理体制に従わない現実がある限り、内規を厳しくしたところでどうにもなりません。
 情報伝達の遅れが明らかにもなっています。開示される情報も二転三転しています。国防の観点から有事の際の報告遅れ、虚偽報告、情報の隠ぺい、緊張感・使命感の欠如が如何に重大な事態につながるか政府も現場の防衛官も認識すべきです。
 イージス艦を指揮命令する最高責任者である防衛大臣と総理への責任を問わなければなりません。その上で、事故対策は防衛官僚任せにせず、政治の力でしっかり対応して欲しいのです。
 また、これが自爆テロだったらどうなっていたのかの心配も指摘されています。7月には各国から元首が集う大事な洞爺湖サミットがあります。気の緩み、平和ボケがテロに無防備となって、日本の信頼を失うような事態が発生することのないよう、充分な対応を望みます。
 事故に対し福田総理の他人事のような発言からは、事の重大さが伝わってきません。日本の食糧自給率が39%となった今、食を預かる漁業の安全、防衛官僚の気の緩み、守屋前次官に端を発した防衛庁の不祥事など、国防問題すべてに関連していきます。政治家は国を守る意識をシッカリ持って欲しいと思うのです。

 

 

●官僚の利権維持につながる
 地方が手放さない、ひも付き道路財源

 一般会計が赤字で、国債を発行し続ける一方、ムダ遣いが後を絶たない特別会計。次々明るみに出る埋蔵金。二つの財布があることを殆どの国民は理解できていません。官僚のムダ遣いを正すためにも、特定財源など、税のあり方が問われています。財政の仕組みを見直していくべきです。
 心配なのは景気の冷え込みです。アメリカはいち早く16兆円の減税を打ち出しました。日本も景気対策の減税を行うべきです。ところが政府は定率減税、扶養控除、高齢者特別控除を廃止し、年金、医療など、福祉負担を増加させているのです。これでは景気を下支えする個人消費は上向きません。GDPの6割は個人消費によるもの。この際、道路特定財源で10年先のことを考えるのではなく、今どうするかを考えるときです。
 ガソリンの1リッター25円の値下げは今まで特定財源が政府・自民党の言うように有益に使われてきたのか、25円は税の仕組みを考え直す上での象徴的な数字なのです。値下げ(減税)をすれば消費拡大につながることは間違いありません。輸送コストの削減で物価上昇にも一定の歯止めがかかるようになるはずです。
 とにかく、足りなくなれば国民から召し上げる、役人の硬直的な発想は改めるべきです。予算を一般財源化していけば単年度決算でムダを続けることは起こりにくくなります。国会でのチェックが入り透明性が増すことで、年間10兆円とも言われる官僚のムダをなくすことができます。
 国民から選ばれる国会議員、そして総理や内閣が変わる一方で変わらないのが官僚です。先進国では二大政党のもとで政権交代が行われ、政権が変われば官僚との癒着も明らかになります。日本は政権が変わらないために癒着が後を絶たないのです。官僚制度と決別しない限り日本はよくなりません。
 中央官庁から地方へと、中央の意向を汲んだ役人が出向しています。道路財源の確保も中央の意向がそのまま反映される形となり、ひも付き予算の獲得が中央への陳情となって表われています。地方の独立が不可欠な時代です。道州制の実現が問われています。ひも付きの仕組みを変えない限り地方分権は進みません。利権を温存し民間とかけ離れた退職金を手に、天下りする官僚の関与をなくしていくことが国の再建につながるのです。
 硬直化した税の仕組み、役目を終えた時代遅れの官僚制度。加えて地方の独立を一体化し、この改革を政治主導で進めていけばムダをなくして、その結果景気もよくなるはず。官僚べったりの自民党政治では、いつまでたっても日本の制度改革を実現することはできません。私たちの暮らしがよくなることはないのです。