国政リポートNo.489
◆民意置去りの総裁選 政治で一番大切なのは民意の反映です。ところが、今の政治は民意が何処にいったのかわからない状態です。実質、首相となる自民党総裁選が行われましたが投票といっても自民党議員と各県連の3票だけ。国民が直接投票できない総裁選です。それなのに大々的に街頭演説を繰り返すパフォーマンスに、活路のない自民党を感じます。
●早期解散で民意を問え 日本企業は正社員が6割を切りフリーター、ニートが定着。ワーキングプアが増え、ネット難民などという差別用語までできてしまいました。利益中心主義から生まれた格差社会を是正して一億総中流社会に、これが私たちが求めるものです。そして人を大切にする社会の実現を政治主導で進めていかなければなりません。ところが今回の自民党総裁選は次の選挙を乗り切るためには、との思惑が見え見えの党利党略の総裁選を展開したのです。
●中・長期的な政策を示せ 対米関係についても、日本政府はアメリカの要望に応えてきました。しかし、時と場合によって「日本が大切だ、同盟国だ」といっておきながら、アメリカの認識は変わってきています。例えば北朝鮮問題について、核放棄には真剣ですが拉致問題ではどれだけ日本の立場を尊重しているのでしょうか。今やアメリカにとってのアジア外交は日本を頭越しに13億の魅力的なマーケットをもつ中国へと移っています。これがブッシュ外交のあり方です。中国も中・長期的な戦略をもってアジアのリーダーたらんと虎視眈々と出番を狙っています。日本はアメリカ追従の外交から脱却し、主体性をもった中・長期的な戦略を示していくことです。さらに、新総裁が今の官僚主導型の政治を変えられないなら、何も期待することはできません。必ず民主党の出番がくると確信しています。
●参院選が国会を変えた もうこれ以上出ないだろうといわれていた年金の横領が新たに判明しました。年金の不祥事は解決どころか却って泥沼状態に陥っています。また、テロ特措法の延長がいわれる中、2003年にインド洋に派遣した海上自衛隊の補給艦がイラクへの空爆を担った米軍艦船に、政府発表の量を4倍も上回る給油を行っていたこともわかりました。私たちが反対し続けても耳を貸そうとしない高齢者医療費の負担増、児童扶養手当、障害者自立支援法なども抜本的見直しがいわれるなど、弱者を直撃した政府・自民党の政策に方向転換の動きが見られるようになりました。これは参院選の大敗を受けて、負担増の抑制や格差是正に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるからです。これは民主党が参院で与野党逆転できたからこそ可能になったこと。政府・自民党の強行採決乱発の強権政治から、ようやくまともな政策論争ができる国会に戻ってきたのです。 |