闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.488
2007年9月10日

 

◆国を変える賢い選択

  政権交代を一歩も二歩も近づけた国民の民主党支持

 酷暑の参院選では、民主党に対し多くの国民から賢い選択をいただきました。重く受けとめ、良識の府といわれる参院で民主党の役割が十分に発揮できる国会にしていかなくてはなりません。10日召集の臨時国会を前に、民主党は政権を担う次の内閣(ネクスト・キャビネット)を発表しました。期待の表れか、新聞各紙の扱いは今までになく大きいものとなっています。また、参院選後にはシーファー米国駐日大使と小沢代表との会談が民主党本部で行われるなど、政権交代に向けての流れが着々と進んでいる様子が伺えます。
 2年前、郵政解散で自民党に大勝を許してから、強行採決、問答無用の国会が続き、政治が大きく歪んでしまいました。今また、安倍内閣の相次ぐ閣僚不祥事で政治が揺らいでいます。正しく軌道修正するためにも民主党の頑張りがいまこそ期待されているのです。

 

●美しい国が醜い国に

 今国会は内政外交ともに重要案件を抱えています。その一つは連日報道されている「政治とカネ」の問題です。松岡氏の自殺、後継の赤木氏更迭、そして国からの補助金を不正受給していた遠藤氏と、安倍首相の任命した農水大臣が、わずか3ヶ月余りで3大臣が交代する異例の事態となりました。他にも政治資金収支報告書の記載漏れや重複計上など、安倍内閣の閣僚、政務官からの訂正が次々と明るみになっています。勿論、首相の任命責任は問われなければなりませんが、ことの本質は長く続いた自民党政権の体質そのものにあるのです。加えて、ザル法の政治資金規制法がカネにまつわる閣僚の不祥事を許してしまう背景にもなっているのです。法律で違反の事実があれば役職停止ばかりではなく刑事罰を検討するなど、処分を厳しくすれば政治とカネの問題はなくなるはずです。民主党が主張する「収支報告書には1円からの領収書を添付する」、民間では当たり前のことにも難色を示しているのが自民党なのです。
 安倍改造内閣は美しい国をめざし、新閣僚の「身体検査」を徹底して再出発したはずです。それでも次々に不適切な問題がでるなど醜さを露呈しています。国民の期待と信頼を裏切るもの、決して許されることではありません。安倍政権の末期的症状は明白になってきています。
 「安倍首相にお願いです。首相の座に執着するあまり、国民の声を疎かにしないでください。これ以上日本を醜い国にしないでください。」

 

●年金に新たな問題
 民主党の追及で判明

 参院選が終っても年金問題が決着したわけではありません。国民年金の記録不明が5000万件、厚生年金は1430万件、船員年金36万件、本人が払ったのに何処かへ消えてしまった年金が2万件、基礎年金番号が複数ある人2万人、未請求で時効になって年金を貰えない人9万人等々、強行採決で年金改正法案を通過させた後、これらの問題が次々と発覚し社会保険庁の隠ぺい体質が明るみになっています。そして、またも年金制度の信頼を損なう問題がでてきたのです。企業年金基金の未払いです。厚生年金と連動したもので受給資格者124万人に対し、1544億円の年金が未払のままになっているというのです。60歳以上の受給対象者400万人、そのうちの3分の1が請求しないまま放置されていることが明らかになったのです。これは勤務していた企業が年金基金を採用していたのか、分かりにくいこと。貰い始めるときは社保庁とは別に『企業年金連合会』に請求しなければならないことなど、煩雑な仕組みになっているからです。これも申請主義のために起きる不親切きわまりないもの。この連合会の歴代理事長の大半は旧厚生省や社保庁からの天下りです。監督官庁の厚生労働省の責任範囲です。社保庁の廃止と併せて問題解決に取り組むべきです。さらに、掛け金の運用方法を加入者自身が決める確定拠出年金でも、一部運用されないままになっていることも分かりました。
 民主党は年金の流用禁止法案を提出しますが、掛け金が正しく給付に回るのか、管理をしっかりしていかなければならないのに、窓口で納めた年金を社保庁と市町村の職員が着服している事実も判明しました。この着服が、消えた年金記録とどのように関係しているのか、改ざんされたのかなど、一切明らかになっていません。これらは、すべて参院選の前から民主党が開示を求めていたものばかりです。これで首相のいう1年で消えた年金の照合ができるのでしょうか。政府、自民与党の「百年安心の年金制度」は大うそです。国民に代わって民主党が厳しく追及しなければ、みんなウヤムヤにされてしまっていたのです。