闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.478
2007年4月23日

 

◆政策(マニフェスト)を具体的に示す選挙戦に

 統一地方選の前半が8日に終わり、22日・23日には後半の投開票が行われました。今回の争点では、候補者の名前の連呼で具体的な政策面がでてきませんでした。「有権者の選択が戸惑うことになった選挙戦」との報道もされました。その通りで、二大政党制を目指すには地方選でも、より具体的な政策(マニフェスト)を示して国民の選択を仰ぐのが政治本来の姿ではないかと思います。

 

◇環境・緑化の政策

 地球温暖化に対して都市における緑比率の問題があげられています。この問題にからんで、現在の都市計画法の中に農家や地権者に一方的な制約が加えられて問題となっているものがあります。
 例えば、昭和45年の新都市計画法で市街化区域と市街化調整区域の線引きが行われました。これは自らの選択ではなく行政と一部の農地委員によって行われたものです。そして5年後の見直しが言われながら、いまだにこの状態が続いています。国の見直しが十分執られていないことによって、土地利用について市街化区域と市街化調整区域との間に格差が生じる状態が起きているのです。
 横浜市では「調整区域あり方墾」をスタートさせましたが、検討委員会7名のメンバーのうち、学識者4人、弁護士1人、都市計画専門家2人となっていて、地権者の声が届かない一方的な役所指導の構成となっています。民主主義の行政を行うならばメンバー構成の中に地権者の意見が組み入れられ、地権者の選択ができるようにしておくべきなのです。
 緑比率の問題については、例えば個人住宅であれば新築時の植栽の義務づけや、また宅地造成であれば植林、そしてコンクリートのビルであれば屋上緑化の義務づけなど、トータルな見直しで区域の調整を可能にすることができるはずです。
 このように時代の必要性に即した柔軟な考え方で、知恵をだし合いながら都市計画行政を進めていかなければならないはずです。ところが、相変わらずの一方的な役所指導となっているのです。これが自民党主体の押し付け行政のあり方なのです。もっと、地権者のみなさんが大きな声をだすべきなのです。そうしていかなければ、50年先も100年先も同じ過ちを繰り返すことになってしまいます。

 

◇少子化の政策

 さまざまな対策を講じながら効果の表れない少子化問題。これは政府・自民党の財政中心主義、長期的な政策の欠如であり、後追い行政になっているのです。
 以前から今日の少子化がくることは予想されていました。これに国は本格的な対策を執ってきませんでした。私が58年に国会議員になった時、少子化対策の中でさまざまな分析を行い、日本になかった育児休業法の確立を目指しました。国だけで保障するのは困難との考えから、国、企業経営者、勤労者が3等分の負担でそれぞれ1カ月100円を拠出する。これで1年間、賃金の3分の2が保障されて育児休業がとれるようになるという制度の検討を行ったのです。しかし、この制度を実現させなかったのが自民党です。実現させていれば、今日のような深刻な状態にはならなかったと確信しています。
 あらゆるところに先行投資が必要です。少子化対策においても生み育てる環境をつくるための社会保障があってしかるべきです。先行投資としての国の補助、給与控除を手厚くするなどの検討が疎かになっています。この手立てを十分に執っていくべきなのです。
 幼保一元化も取りあげていましたが、いまだに文部科学省と厚生労働省の縦割り行政が壁となって実現を拒んでいます。幼稚園は廃園になり、一方、保育所は待機児童が溢れているのが現状です。横浜市では「横浜保育システム」をつくってみたり試行錯誤していますが、少子化対策の基本的な部分を考えていかなければ何の解決にもつながりません。少子化問題は年金、医療にも関係してくるのです。

 

◇雇用の政策

 10年前、労働基準法改正で業種を限定して派遣、契約が認められました。これは中小企業が専門部門を研究するため、また季節就労者を雇用するために期限付きで可能にするというものでした。当初は労働の補完を目的としたものでしたが、99年の労働者派遣法改正で専門職以外にも広く派遣、契約が認められ、これがかえって賃金抑制のための制度に利用され、非正規社員が4割を占めるまでになってしまいました。政策決定時における本来の目的が薄れ、その結果、賃金だけでなく社会保障にも格差が生じてしまったのです。本来の主旨に基づき、雇用の問題を原点に立ち返って考えるべきなのです。

 


 政策として環境、少子化、雇用の3つをあげてみました。二大政党を目指す選挙とは、このように国民への選択肢を政策(マニフェスト)という形で具体的に示していかなければいけないと思うのです。