闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.475
2007年3月12日

 

放っておけない自民党政治

もっと実感して欲しい税の負担増、格差の拡大

 今年も確定申告の締め切りがやってきました。私のもとには申告の済んだ多くのみなさんから厳しい現状を訴える話や相談が寄せられています。毎年その数は確実に増えていて、今後、増税がいつまで続くのか、国民の多くは不安を隠しきれないでいるのです。

 

●深刻な高齢者いじめ

 65歳以上の高齢者に対する税制が2004年度、2005年度にわたって改正されました。年金所得控除の切り下げ
(20万円以下)、老齢者控除(48万円)、非課税措置(総所得125万円以下非課税)などの縮小・廃止になったことで、信じられないような負担増となっています。「これまでの8倍、10倍だ」との切実な相談も寄せられています。老齢者控除の廃止は国民健康保険料、介護保険料の負担にもつながっているのです。今まで266万6000円以下の年金では非課税であったものが、単身者は155万円以上、控除対象の配偶者がいても211万円以上は課税されることになってしまいました。年金額が増えていないのに控除額が減らされたことで、その分が課税されることになってしまったのです。これが高齢者いじめでなくて何と言うのでしょうか。

 

●酷なサラリーマンいじめ

 また、給料が思うように上がらず、節約の日々をおくるサラリーマンにとっても定率減税の打ち切りで税の負担は確実に増えています。私たち民主党の試算によれば年収約440万円のサラリーマンの場合、2001年と2007年とを比べると8万9000円もの負担増になっています。さらには年収300万円の年金受給者の場合では、何と22万4000円の負担増で2001年から2007年の6年間で約2・2倍にもなっているのです。
 定率減税の打ち切り、高齢者特別控除の廃止、あるいは健康保険、医療費を始めとする福祉・社会保障費の負担増。そして三位一体改革のもとで、現実には市県民税が上がるという現象の表れで、今まで税に対して無関心でいた人たちも漸くその重さを感じてきているようです。

 

●増税、格差拡大の現実

 小泉政権になってからの5年半で、生活保護受給者が32%増、年収200万円以下の給与所得者が19%増、非正規雇用社員が24%も増えているのです。確実に格差社会が拡大している上に、税をとりやすいところからとろうとするやり方は、安倍政権になってもまったく変わっていないのです。このまま放っておいたら弱い立場の中小・零細企業やサラリーマン、お年寄りがその標的となって、益々生活が苦しい状態に陥ることは必定です。
 給料から天引きされ、いつもは関心を示さないサラリーマンの増税も確定申告の時期にこそ気づいて欲しいのです。他人事では済まされない状況になっているのです。かなりの負担増になっていることに気づき、怒りを顕にすべきなのです。

 

●矛盾政治に終止符を

 小泉、安倍と歴代の自民党政権が掲げる財政再建は、いつまでも国民に痛みを押し付けるだけで、その効果は一向に表れていません。その間、国の借金は増え続け827兆円、国民1人当たりにすると648万円(06年財務省発表)にもなっているのです。借金をこれ以上増やさないためには、まず無駄なところを整理していくことが一般的な考え方です。ところが今の政治ではまったく逆なことをやっています。その一つに特殊法人、公益法人の天下り問題があります。これが一向に解決されずに税金の無駄遣いだけが放置されて、国民にそのしわ寄せが及んでいるのです。足りなくなれば国民に負担を押し付ける。官僚型の政治を改めていかなければ、いつまでたっても私たちの暮らしを変えることはできないのです。
 銀行はゼロ金利と貸し渋り・貸しはがしで最高の利益をあげました。それでも法人税は払わない。それなのに自民党への政治献金を復活させようとしたのです。一方、中小・零細企業は税金を滞納すれば差し押さえや競売という、非常に厳しい対応です。矛盾を感じてなりません。

 

●賢明な判断を期待の選挙

 今年は政治決戦の年です。12年に一度の統一地方選、そして参院選が控えています。先の衆院選では国民に郵政選挙で二者択一の選択を迫りながら、ほとぼりが醒めたら、反対した議員の復党を選挙目当てに認めている自民党。民意を無視したご都合主義のやり方は、その歪みが社会現象となって表れてきています。社会規範の乱れ、倫理観、道徳観の欠如など、放っておいたら日本はおかしい国になってしまいます。健全な共生社会を築いていくうえで、常識として絶対に守っていかなければならないルールがあるのです。これらのことを踏まえて、今回の選挙にはみなさんの新たなる選択と賢明なる判断を下して頂きたいと願っています。