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国政リポートNo.471
グローバル化で生じた格差社会 ●格差社会の実態 「財政再建なくして景気回復なし」と進めてきた小泉財政改革は、小泉任期中の5年半の間に国の借金は膨らみ続け、反対に国民所得は減ってしまいました。国際競争力をつけなければいけないと、経済のグローバル化で競争原理をいたずらに煽ったことによって、勝ち組・負け組の格差社会が生まれてしまったのです。
●利益追求主義の過ち 格差をなくすために長時間労働をストップさせ、非正社員やパートの待遇改善を求めてきました。ところが残業代をなくし、8時間労働の枠を取り払おうとする動きがでてきたのです。(ホワイトカラー・エグゼンプション) これらの動きは労働環境を米国型に移行せよとの米国政府及び日本経済界の強い要望に添ったものとなっているのです。労働分野においても多国籍のルールが入り、日本が長年築き上げた社会の習慣、企業倫理や順法精神を守っていくための8時間労働、残業制度などが根底から変えられようとしているのです。制度の問題点に対して、議論を深める必要があります。企業はグローバル化の名のもとにあらゆるものを超越して利益追求第一主義に走る。この動きが主流となって、さらに加速を続けています。生き残りをかけたグローバル化による競争原理が先行し、利益追求で企業のモラル、責任が希薄になっているのです。多くの問題を抱えながらも、愛社精神のもとで企業はさまざまな責任を全うしてきました。だからこそ、戦後の日本経済は伸びてきたのです。拝金主義がライブドアや村上ファンドのように、儲かれば何でもありの考えが生じ、企業モラルを大きく歪めてしまったのです。そんな時、コストを最優先にした不二家のずさんな品質管理が明らかになりました。起きるべくして起きた深刻な問題と受けとめていかなければなりません。
●大切な社会貢献の精神 景気、経済の状況が悪いと思えば中国にしがみつき、中国がうまくいかなければアメリカにすがりつく。そして今度はインドに目を向ける。このような形で日本経済は動いてきました。しかし、日本はもっと独自の良いところを伸ばしていかなければいけないと思うのです。新幹線、携帯電話などで使われる小さなスイッチを造る横浜パイオニクスという会社は仕事に多忙を極めています。どこにも真似のできない技術をもっているからです。しっかりしたポリシーがあれば、おのずと企業は発展していきます。競争力だけに没頭せず、良いものをつくって社会に貢献する姿勢を忘れてはならないのです。「自由主義社会、資本主義社会の崩壊はモラルを失ったときから始まる」と言われています。これが日本の現状であり、是正していかなければならない問題だと思うのです。
●問題先取りの政策を モラルの失墜は企業ばかりではありません。安倍政権が誕生してから政治の世界でも次々と閣僚のスキャンダルが明るみにでています。行政も同じこと。20年前から少子高齢社会は間違いなくくると予測されていました。それなのに対応が不十分で今ごろ慌てていること事態、無責任な話です。誰も後追い行政の責任をとろうとしません。医療費値上げの問題でも、負担率をあげるのではなく、なぜ上がったのかを分析すれば、予防医学で医療費の抑制もおもずから可能になります。今からでも後追い対策を改めて、先駆的に取り組んでいくべきなのです。 |