闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.451
2006年4月10日

 

日本が生まれ変わるために

 ライブドアの粉飾決算に端を発し、昨年の衆院選にからんだ「偽メール問題」で、私たち民主党の信頼が損なわれ、大変厳しい状況となってしまいました。本来なら政府・与党に向けるべきライブドア、耐震偽装、牛肉輸入、談合問題など、重要案件への追及の手を緩めてはならなかったのです。ところが、野党第一党としての責任を果たすことができず、国会のチェック機能も働かずに与党ペースで審議が進められています。民主政治にとって好ましいものではありません。正常な国会審議ができるように、一刻も早い民主党への信頼回復が必要なのです。 前原・前代表は「偽メール問題」の責任をとって辞任し、新たに民主党を立て直すための代表選が行われました。その結果、小沢新代表が誕生したわけですが、新代表の獲得票数が119票だったことは、「偽メール問題」で火がついてしまった民主党の火消し役にはピッタリの得票数となりました。小沢新代表とは新進党以前からの近しい付き合いがあり、私の出版記念パーティーのパネラーや国会での勉強会にも参加戴いています。そんな新代表は、自身の政治信条に強い意志と愚直なまでの強固な信念を持っています。政策を終始一貫、曲げることなく訴え続ける姿勢と、持論を押し通す強引さが「剛腕」とか「壊し屋」などといわれる所以なのかも知れません。小沢民主党が国民の信頼を取り戻すには挙党体制の確立と党内融和を第一に、来年の参院選で与党を過半数割れに追い込み、そして次期衆院選での政権交代を果たすことなのです。そして「努力して真面目に働く人、正直者が報われる公正で平等な社会」へと、日本を変えていかなくてはならないのです。

小沢・新代表は真の改革者

 長い間、小沢代表待望論がありました。今回、党の信頼を揺がす問題が起きたことを切っかけに、党の危機、日本の危機を立て直すために、政治生命をかけての代表選立候補となったのです。九三年に自身の著書
「日本改造計画」で国家の再生ビジョンを示し注目を集めました。「改革を緩めるな」と真の改革ができない自民党を飛び出して、官僚政治との決別を掲げ、特に特殊法人改革を始めとして官僚の無駄な構図にメスを入れ「しがらみ政治を打ち壊す」と主張してきました。また「中央集権政治は地域の発展を阻害している」と、地方に権限と財源を委ねる「補助金全廃」の地方分権を訴えてきました。今、進んでいる市町村合併は全国を三百の市にと訴えた小沢理論でもあります。これが実践されていることでも、新代表が時代に即した真の改革者であることが分かると思います。

政権交代こそが構造改革

 地域の活性化を目指し、格差のない公平な社会を築くために、「二大政党制の実現で国民からの信頼を得る」という考えにも何ら揺らぎが感じられません。強い信念が代表になったことで改めて示され、「政権交代こそが真の構造改革である」という姿勢が多くの民主党議員の共感を呼んだのです。
 一方、外交においては米国を基軸としながらも、近隣諸国とより密接な関係を続け、特にアジア外交を重視し、尚且つ国連をより機能的に活動させていかなければならないとの考えがあります。つまり、新代表は国連中心主義を掲げているのです。イラク問題、人権、宗教、あるいは人種問題など、米国に追従することなく国連が主動的立場で世界平和のための問題解決に取組んでいくべきというのです。開発途上国への援助、子どもたちが飢餓状態におかれている問題も存在します。核保有国が「核開発を止めろ」といっても説得力がありません。核を持たない被爆国日本が核の恐ろしさと核の根絶を訴え続けていくことが、より説得力を増していきます。これらにも国連が積極的に関与する、これが小沢新代表の持論なのです。
 食の安全、住宅の安全、国の安全などの心配事も山積みです。老・壮・青が力を合わせることによって、すべての問題解決につながります。また、少子高齢社会の中で、今度はモノへの投資から人への投資が必要になってきます。国を背負う子どもの教育、元気で働き続ける生涯現役社会の実現、そのことが共生の社会をつくりだしていくことになります。そのために日本が生まれ変る、これを小沢新代表は実現しようとしています。
 民主党にとって、国民が信頼できる政党へと、党を再構築していかなければなりません。挙党一致、全力を傾けて日本の立て直しに取組んでいく、そのための努力を惜しんではならないのです。