闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.579
2011年2月28日

 

             「予算成立に全力を」


 反体制運動が激化したエジプトやリビアの政変は、既に原油の高騰によってガソリンなどが値上げの兆しをみせはじめています。価格の高騰は、今後の日本経済への影響が懸念され、問題への早めの対策を講じておかなければなりません。
 また、ニュージーランドを襲ったマグニチュード6・3の地震では、日本人に多くの被災者がでてしまいました。心からお見舞いを申しあげます。日本の緊急援助隊が現地に向かい、救助犬も一緒になっての夜を徹した救出作業が続けられています。援助隊員の一層の努力によって、一刻も早い被災者救出を願っています。
 今、日本でも特に関東地区においては南関東直下型、東海沖地震がいつ起きてもおかしくない状態にあります。今回の地震を我が国地域の問題として、深刻に受けとめていかなければならないと、強く感じています。

 

●政局よりも国民のための政策論争を深めよ

 衆議院では予算委員会の公聴会も終り、採決が行われる予定になっています。今回の予算は景気対策、雇用対策を中心に組まれた予算であり、特に地方主権のもと、地方への予算配分は21%になっています。この予算が成立をしないと、約92兆円の予算の40兆円余りの財源に裏付けがなくなり、年金・医療・介護の社会保障、教育や子ども手当、そして地方財政に影響がでてしまいます。国民の暮らし、例えば不動産取得にかかる税制措置、また牛肉、チーズなど、400品目以上の輸入食品が値上がって、家計への直撃となってしまいます。

 日本のGDP(国内総生産)は、今や中国に抜かれて世界3位に転落。格付けでもランクを一段下げてしまいました。
 長引く不況で日本経済が厳しい状態にあるなか、ようやく景気が回復基調に転じようとしている矢先、今回の予算が成立しなければ日本経済は機能不全に陥って、景気は回復どころか逆戻りしてしまいます。
 予算委員会ではデフレ脱却、国民生活をより良くするための議論を活発化させていかなくてはならないはずです。ところが自民党野党は本来の予算審議よりも政局絡みに問題点をすり替えて、予算を政治の駆け引き材料に使いながら、私たち民主党の政策を批判し続けています。
 政局に絡めるのではなく、政策論争の中で法案に問題が生じてきているのならば、修正についての与野党間の歩み寄りも必要になってくるのではと思っています。

 国民からは政治が変わることを期待され、「国民の生活が第一」の政治を実現させるために、民主党に政権が委ねられました。期待を実現させるためには、先の参議院選挙の結果を謙虚に受けとめ、真摯な取り組みが必要になってきています。
 私たちの掲げた政策には公務員の2割削減と、衆議院議員の定数480から80人削減、参議院では242人から40人の削減、議員報酬も2割カットとの公約があります。
 今の政治は「隗より始めよ」です。国民にだけ痛みを強いるのではなく、議員自らが身を削り、一連の問題に対応していかなければならないと思っています。
 日本経済を立て直し、景気の回復と政治の信頼を取り戻すために、与野党間の建設的な政策論争と、予算案の一刻も早い成立が、今こそ必要となっているのです。

 

●脳卒中基本法成立へ向け議員連盟を立ち上げる

 我が国の平均寿命が伸びるなか、ガン、心臓病とともに死亡原因の3番目に多いのが脳卒中です。後遺症を抱え、苦しんでいる人が私の周りにもたくさんいらっしゃいます。予防治療、リハビリに関する総合的な体制整備が命を守るためには必要なのです。超党派による「脳卒中対策推進議員連盟」を国会内で立ち上げ、私が会長に就任しました。基本法の成立をめざし国、地方を挙げての対策に取り組んでいきます。