闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

国政リポートNo.534
2009年6月15日

 

         「回復にほど遠い政府の景気判断」


 日本郵政の問題で麻生内閣が混乱を起こしています。決断できない麻生総理のリーダーシップが問われてしかるべきです。それなのに総理は国民の信を問う総選挙もできず政権の椅子に固持しています。よりよい政治を行うためには一刻も早い政権交代が必要なのです。

 

● 見せかけの景気回復

 約15兆円の補正予算が成立しました。一般会計と合わせて100兆円。このうち収入が42〜43兆円、そして55〜60兆円近くが赤字国債です。赤字が単年度で約60兆円。国民1人当たりに換算すると5万円の借金が膨らんだことになります。1万2000円、または2万円の定額給付金で国民を喜ばせる一方、5万円の借金が増えているのです。誤魔化されてはいけません。社会保障で、年金基金の運用では約5兆円の損失をだしています。このまま赤字を膨らませる国の体質を放っておけば、厳しい状態を脱することは不可能になってしまいます。
 アメリカ、イギリス、中国は思い切った減税政策などで景気の悪化に歯止めをかけています。日本の場合は、まだ厳しい状況にあると思います。
 GDPの6割が消費です。その消費が回復せず賃金が下がり続け、可処分所得も3割程度下がっています。その一方で簡易保険はじめ税金は上がっています。
 不況のため住宅ローンが払えない人が急増し、08年度に1万6500件余りが競売にかけられました。夏に向け、ボーナスの滞りでさらに10万件くらいが競売にかけられるのではと懸念しています。
 株価が一時持ち直し、一部の経済指標に回復基調にあると政府は言っていますが、ボーナスが4割カットされる、中小零細企業に至っては支給事態がおぼつかなくなっています。失業率も上がっている状況が続く限り、日本経済の厳しさは変わりません。これで本当に景気がよくなっていると言えるのでしょうか。
 今年に入って、原油価格がリッター当たり20円程度高くなって高騰の兆しをみせています。賃金が下がる中で物価が上がる、医療費が上がる、税金があがる。その一方では値下げ競争も激化してデフレスパイラルの様相を呈し、不安定な市場の動きがではじめています。このような状況で景気が持ち直してきたと判断すること事態が間違いです。選挙を目前に、政権与党を利するだけの、見せかけの景気回復であってはならないのです。

 

 

●徹底的にムダをただせ

 15兆円の補正を実現させたから景気がよくなったと、政府・自民党は成果を強調しています。しかし、一時的に国民を錯覚させるような景気対策であってはなりません。例えばエコカーへの買替え推進では、生産が間に合わない状況が生まれてしまっています。地上デジタルテレビなどの省エネ家電のエコポイント制導入も、もとは私たちが提案していたものですが、瞬間的にはよくなっても持続可能なものでなくては意味がありません。期限付きでは政府が言うほど先行き楽観視できるものではなく、厳しい状態に変わりはないと思います。
 政府は経済財政改革基本方針(骨太の方針09)を発表しました。この素案には、補正をばらまいておいて、財政が厳しいからと消費税12%アップの方向性が示されています。増税に対する政府・総理の考え方と、私たちの考えには明確な違いがあります。私たちは、まず政府・自民党が執り続けてきたムダ、官僚丸投げ政治を徹底的にただします。行政改革、天下り禁止、特殊法人廃止など、今だからこそできると思っています。

 

●新エネルギーによる国興し

 化石燃料依存、森林伐採などで地球温暖化防止の観点から環境対策への取り組みが世界規模で行われています。
 日本が京都議定書で定められた温暖化ガスの削減目標がクリアできない中、政府は2020年までの中期目標を示しました。政府の考え通りの目標を達成できなければ他国から排出枠を買えばいいとの思いがあります。今回の目標達成には、この考えはないようですが、排出枠の買い取りは取り入れるべきではないと思います。そうしなければ太陽光発電、エコカーなどの省エネ政策が安易な取り組みになりかねないからです。目標を達成するために、化石燃料からの完全な切り替えが必要で、独自の年次目標をたててもいいくらいです。
 太陽光パネルを全家庭に普及できる政策を進める。北海道から沖縄まで高速道路にパネルを敷設して太陽光エネルギーを工業用にも利用できるようにして、関東、関西、東北など、地域で分かれている電力組織を太陽光による余剰電力の受け皿として、その役割を担うようにする。化石燃料に比べ遥かに安価で安定的なエネルギーによって日本に産業革命を興し、環境、地球温暖化に貢献する仕組みを国家プロジェクトで強力に推し進めることが必要だと思います。

 

●「友愛」 共に生き助け合う心、命を大切にする政治

 ペットボトルのキャップ800個で発展途上国の子ども1人分のポリオ・ワクチンを買うことができると言います。ポリオの感染から子どもを救うことができるのです。
 この度、田中けいしゅう事務所では、集めたキャップ106.2キロを寄贈。53人分のワクチン購入に充てられました。
 政府・自民党は障がい者自立支援や老齢・母子加算、国民年金など、命と福祉に関する予算を削って負担だけが増え続ける政治を行なってきました。このようは政治に対し、私は命を尊重する政治こそ大切と思っています。