闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

委員会議事録

●経済産業委員会質疑 平成15年4月23日

○田中(慶)委員 私は、民主党の立場で、今回提案になっております特許法の一部改正、あるいはまた不正競争防止法について質問をしたいと思います。
 まず、大臣、今回の特許法の一部改正も、あるいは不正競争防止法の問題等についても、少なくともこれは国際競争や、あるいはまたその一つであります知的財産立国という新たな表現を使っておりますし、また国家戦略として私は大切なことであろうと思います。
 しかし、反面、今質疑の中でも答弁もありましたけれども、一つには、中小企業を初めとする個人のベンチャーや、あるいはまた大企業と個人、中小企業との差があり過ぎる等の問題等についてどのように考えているのか。
 そして、スピードの問題。スピードが全然ない、はっきり申し上げて。例えばIT産業のようなものは、少なくとも三年、五年たったら、ある面ではもう既に古いんです。しかし、長期的に、十年も二十年も特許として実用する、こういう二つの分類に分けながらやる必要があるにもかかわらず、全部トータルとしてやっているものですから、そういう矛盾、料金の体系においても矛盾が生じる。
 だから、料金も、確かに十年前は、ある面では減免措置を初めとして安くなっておりますけれども、十年以降になってくると、国際的に比較しても高くなってくる、こういうことでありますから、やはりこういう問題を含めてしっかりと対応していかないと、あなたが言っているこの知的財産立国という言葉とマッチングしてこない。その辺をどう思いますか。

○平沼国務大臣 これから二十一世紀というのは、いかに知的財産というものを創造して、そしてそれを保護して、それを実用化、そういうものに結びつけていく、このことが非常に大切なわけでございまして、政府といたしましても、非常に異例のスピードで大綱を取りまとめ、そして議員の協力をいただいて、そして基本法をつくらせていただいて、そしてことしの三月には知的財産戦略本部というのを立ち上げました。そういう趣旨からいいますと、今田中先生のおっしゃった問題点というものをしっかりと踏まえて私どもはやっていかなければならないと思っています。
 そういう中で、例えば特許にかかわる経費に関しましては、確かにトータルで見ればこれは約十万円程度安くなるわけですけれども、入り口の段階で、中小企業にとってはそれは厳しい、こういうことも言えると思っております。しかし、その中小企業に対しては、これまでもこの特許に関してはいろいろ配慮をしてまいりました。先ほど特許庁長官も、さらにこれからそういった中小企業に対してはしっかりとした配慮をしていく、こういうことも申しておりましたけれども、私も大臣として、そういう配慮は私どもは必要だと思っております。
 それから、期間の問題ですけれども、御指摘のように、やはりかつての十年というのは今の一年である、こういう形で、ドッグイヤーというような言葉がありますけれども、非常に速い時間の流れなわけであります。そういう中で、私どもとしましても、ヨーロッパ並みぐらいのところまでには努力をしてまいりました。
 ですから、この審査をする人たちの人数でありますとか、あるいはいろいろな工夫でアウトソーシングをしてそれを短縮化するということは、本当に御指摘のとおり、私は大きな命題だと思っています。ですから、さらにその短縮化の問題についても、こういうITあるいは先端技術、そういったことが非常にこれからの国の経済の活性化の基になるわけですから、その短縮化についても私どもはこれから最大限の努力をしていかなければならない。そのために各関係省庁連携をとって、そして人員の増員等も含めて努力をしていかなきゃいかぬ、このように思っています。

○田中(慶)委員 言っていることはよくわかりますけれども、実態が伴っていない、はっきり申し上げて。
 国家戦略ということ、知的財産立国ということ、そして今審議をしていること、矛盾しているんですよ。それにみんなしっかりと、個人のベンチャーであろうが中小、日本はそうでしょう、日本の九十数%、一〇〇%のうちのもう九五%は中小零細企業なんですよ。ですから、ここに主眼を当てるならば、料金体系も、では大企業と中小企業を分けてやったっていいじゃないですか。こういうことを含めながら、現実にはそのアイデアがなさ過ぎる、時間がかかり過ぎる。けさも私は私の友人と話しておりました。約四十万円払って、一年半たっていますけれども、特許おりていません。具体的に言うとこういうことです。
 こんなことを含めながら考えていくと、それでは、その時間を短縮する、人をふやすことも大切だろう。しかし、今行革でふやせないのであれば、IPCCとか、あるいは今弁理士の皆さん方に協力いただいてその拡大をしていけば、ヨーロッパ並みだと言っているけれども、知的財産立国とするならば、アメリカを超えることを考えないとだめじゃないですか。
 大臣、今日本の借金はどれだけになっているんですか。けさニュースでわかったと思いますけれども、特殊法人が四百七十五兆円隠されていたんですよ。トータル一千二百兆の借金が出てきたんですよ、これは、国として。地方自治体じゃないですよ。
 こういうことが今現実にあるわけですから、やはりそれを一つ一つ、これからの日本のこの国の将来に向けてしっかりするためには、知的財産というものが本当に大切であるならば、そういう工夫をしながら、中小企業がこの国を支えているんですから、そこにもっと視点を当てて、料金体系ももっと安くできるようなことを考えてしなければ、これからの日本の将来というのは、借金はあるわ、片方ではこんな形で今までと一向に変わっていないわ、こんなことをしていたならばこの国の将来は真っ暗になってしまう。
 だからこそ、私たちは経済産業、西川さんが言っているように、与党、野党じゃないんですよ、これは。政府が与党、野党なんて感覚でいるからおかしいんですよ。今日本の国をどうするか、政府はそのぐらい、政府の立場で、与野党じゃない、野党が言っていてもいいものはもっと取り入れて、ぼんぼんやっていく、私はそのことが政府としての考え方だろう、こんなふうに思いますけれども、大臣、どうですか。

○平沼国務大臣 その田中先生おっしゃる意味は大変そのとおりだと思っておりまして、私どもは、こういう知的財産立国、これは、与野党なくて、そして与野党が協力をして取り組んでいく問題だと思っています。
 中小企業に対してもっと具体的に配慮をしろ、こういうことでございまして、私もそのとおりだと思っておりますけれども、今、減免措置に関しましても、例えば、資本金三億円以下、設立五年以内、こういう、法人に対しては非課税、こういう形になっておりますし、審査請求料も半額、しかも一年から三年猶予をする、こういうことになっています。それをさらに、五年というものを我々は十年に拡充していく、こういうこともやっているわけでございますし、これは田中先生よく御承知で繰り返したくはないと思っておりますけれども、研究開発費の比率が三%以上のそういう中小企業に関しましては、これも半額にさせていただいておりますし、またさらにそういったところも拡充をしていく、こういうことをやっております。
 ですから、そういったことも我々としてはさらに、御指摘のとおりそこは大切ですから、なるべくきめ細かく、そして、知財立国であれば、そういったところに配慮していかなければならないと思っております。
 それから、中小企業に関しては、これはもう議員の皆様方のお力をいただいて、特許だけではなくて、九九・七%を占めるいわゆる中小企業に対しては、いろいろな面でのセーフティーネット保証、貸し付け、あるいは例えば新規立ち上げのための新しい制度、そういうものもつくらせていただいておりまして、私どもは総合的に、大切ですから、しっかりとやっていかなければいけない、このように思っているところであります。

○田中(慶)委員 大臣、そのとおり世の中回っていけばいいんですよ。だけれども、あなたが言っているように回っていない。先ほどエネルギー問題でも指摘をしました。あなたが今言っているように、セーフティーネットの金融の問題、金融庁長官きょう来ていないけれども、具体的にきのうレポートで指摘をしておきました。
 貸し渋り、貸しはがし、やっているんですから、こういうときに、なおかつ料金体系がこのような形で、審査料、いろいろな思惑はあるかもわからないけれども、私はこれは排除の論理だと思っていますから、はっきり申し上げて。審査料を高くすれば少なくなるだろう、それも一つの方法かもわかりません。ですけれども、今、日本はそうじゃない。いろいろな人の知恵を絞って、この知的財産をもっともっと、国民の創意をここに全部集中して、いろいろな特許をとらせるような方向を出していく必要があるだろう。
 こんな考え方でなければ、私は、今まで余り、長官の説明を聞いていたんですけれども、そういう点では納得していた部分もありましたが、現実に一千二百兆の借金、隠れ財産が、役人の皆さん方、天下り先の、我々がさんざん指摘していたところが、四百七十五兆円の借金が明らかになった。こういうことを考えていくと、私は、今までの皆さん方の説明とは逆に、中小企業の創意をここに持ってこなければいかぬ。
 人が足りない。民間企業はどうしているんですか。配置転換、全部やっているでしょう。経済産業省、配置転換やっていませんよ。私は、政務官という通告をして質問取りしているのに、十人も十五人も来る。余剰人員じゃないですか、それだったら。そうですよ。私は一人でいいと言っているんですよ。我々は、民主党は少なくとも、自民党と違うかもわからないけれども、質問取りは政務官一人でいいと言っているんですよ。そのために副大臣制度をつくったんだから。原点に返ってやれば、そんな十人も十五人も来なくても、その人たちは、おれから言えば余剰人員ですよ。それこそ、この審査員、優秀な人間、回してやればいいじゃないですか。そのぐらいの配置転換を含めた発想はどうですか、大臣。

○平沼国務大臣 十四人、十五人お伺いをしたということは、必ずしも経済産業省にとってそれが余剰の人員じゃないと私は思っておりまして、やはり田中先生の重要度が反映しているんじゃないか、そういうふうに思っております。
 したがいまして、私どもとしては、やはりそういう政務官制度ができた以上は、やはりそれを利用するということは非常に大切ですし、また、役所の中でやはり人的な配置に対する合理性を追求していくということは、御指摘のとおり非常に大切なことだと思いますから、私どもとしては、そういう形で不断の見直しを行って、やはり国民に奉仕する行政でございますから、私どもはその観点でやっていかなければならない。
 ですから、おっしゃる点は、私どもとしてはそのとおりだと思わせていただいておりまして、これからもそれで励行させていただきたい、こういうふうに思います。

○田中(慶)委員 時間の配分もありますけれども、大臣、行革というのはどういうことですか。わかりやすく、スピードを持って、簡素にすることですよ。今の役所の仕事はそういう方向になっておりません。地方分権と言っていろいろなことが進んでいるんですから、少なくとも、そういうことを含めて、必要なところ、今回のように知的立国とするならば、そこにはもっと人を集めたっていい、私はそう思っているのですよ。別に特許庁にお世辞を使っているわけでは何でもないのですけれども、そのぐらいやはりちゃんとしてこの国の将来というものを位置づけないと、何かわからない、ぼやっとしていたのでは何もできない。だから私は申し上げているのですから、ぜひ、そのことも含めて……。
 それから、大臣、あなた、けさもニュース見たと思いますけれども、この千二百兆という借金、どう思いますか。答えてください。

○平沼国務大臣 我が国が、膨大な特例公債そして建設国債、これを発行して、そしてそれが非常に大きく国家の財政の負担になっているということは事実であります。そういう意味では、いわゆる小泉改革の中で、そういった不良債権を含めた国の借金をいかに減らすかということが構造改革の第一歩である、こういう形で今努力をしているところであります。
 国の膨大な借金というものは、御指摘のような大変むだがあったということも私は事実だと思っています。ですから、そういったことは私どもとしてはよく精査をしながら、そして、この国の財政の足を引っ張っているこの赤字というものを、その体質、これを改めていくということが急務なわけでありまして、また、これからそういうものが発生をしないようにさらに努力をしていかなければならない、そういうふうに思っているわけであります。
 膨大な借金ができたその背景というのは、一つは、バブルというものがあって、そして、そのバブルから立ち直るために、やはり相当大きな公共投資もしてきたし、財政出動もしてきた、それが、景気が回復をしないために、今デフレ状況でありますから、その解消がずっとできてこなかった、それがだんだん積もってきた、こういうこともあったと思います。
 それからさらには、特殊法人の中では、ある意味では親方日の丸的な発想の中で相当ずさんな面もあり、それがやはり赤字の中に計上されている、こういうことも私は一部言えると思っております。
 いずれにいたしましても、こういう膨大な国の大きな赤字というものは、本当に時間がかかることだと思いますけれども、これを解消していく、そのことにプライオリティーを置いてやっていかなければならない、こういうふうに思っております。

○田中(慶)委員 この一つ一つの法案もそういうところと連動しながら、ぜひそういうことに政府はしっかりと対応していかないと、あなたたちは会社の経営者と同じなんですから、この国の経営を任されているんですから、ですからその責任があるわけですから、ぜひそういうことを含めて対応してください。
 次に、不正競争防止の問題について移らせていただきますが、今回の営業秘密の保護の対応等についてでありますけれども、これは企業の国際的な競争強化のためにもこの保護というのは私はぜひ必要だと思うのです。技術のデータ、あるいは製造のノウハウ、あるいは販売のマニュアル等々を含めて、これが今までなかったこと自体が私はおかしなことだと思っているぐらいなんですけれども、やはりこの国が戦略的にこういうことをもう少し掲げていかないと、空洞化という名目の中で、中国に全部持っていって、すべてやってしまう。
 向こうは、日本の十倍の人口、十倍の頭のいい人も単純計算するといるわけです。土地は安い。そこで全部いろいろなことをやって、丸投げして全部やって、最終的には、日本の技術やすべてを向こうが習得したらば、日本の工場は要らなくなるんですよ。ですから、やはりそのことを含めて、もう少しきつい取り組みも必要、戦略的に私はやっていかなければいけないんじゃないかな、こんなふうに思っているんです。
 そういう中で、やはり企業の秘密等々を検討することも必要ですけれども、国内だけではなく海外の競争企業に流出される、今もうしていると私は思って見ているんですから、そういう点で、これらについてしっかりと、この今回の不正競争防止法の中ではこういう問題が対応できるのかどうかということが一つ。
 もう一つは、今のようにインターネット化されております。そうすると、このネットの不正利用というものを今よく聞くわけですし、増加しております。しかし、これにどう対応できるのか。こういう形で、ネットワーク化への対応、あるいは民事的な問題も出てまいります、あるいは刑事的な保護等の問題も出てまいります。裏腹な部分も出てまいりますけれども、それらについてお聞きしたいと思います。

○平沼国務大臣 お答えさせていただきます。
 御指摘のように、ネットワーク化の急速な進展、そして人口が十倍、こう言われましたけれども、例えば中国は十三億の人口がございます。そこを中心としたアジア諸国などの急速な追い上げ、これがあることは事実でございまして、今後我が国が進むべき道としましては、やはりすぐれた発明などの知的財産を戦略的に創造して、そしてそれを活用して、そして、経済構造改革の取り組みと相まって我が国の産業の国際競争力を強化する、このことが我が国の生命線ではないか、こういうふうに思っております。
 こういう認識のもとで、知的財産戦略大綱、これもつくられたわけでございまして、その大綱の中でも、そこを踏まえまして、今回の不正競争防止法の改正法案というものは、御指摘の営業秘密の刑事的な保護でございますとか、あるいは民事的保護の強化、それから今御指摘のネットワーク化、これへの対応という三つの柱から成っている形であります。
 まず第一の柱は営業秘密の刑事的な保護でございまして、多くの諸外国で近年営業秘密の不正取得、使用、開示に対して刑事罰を導入していることなども踏まえまして、現在民事的に保護されている営業秘密を刑事的にも保護するため、他人の営業秘密を不正に取得、使用、そして開示をした、そういう者に対する刑事規定というものを設けたところでございます。
 第二の柱といたしましては、不正競争行為によりまして、営業上の利益の侵害行為や、それによって生じた損害額、これを原告が立証することを容易化するために、特許法などと同様に、文書提出命令の拡充でございますとか、失われた利益、逸失利益の立証容易化制度の導入を図ることにしております。
 そして、三番目でございますけれども、特許法などと同様に、商品等表示を使用した商品を電気通信回線を通じて提供する行為等が、これも不正競争行為に該当することなどを明確化したところでございました。
 こういう三つの柱の取り組みによりまして、近年、御指摘のネットワーク経済社会に対応して、民事と刑事両面にわたる保護を強化して、そして我が国の産業の競争力の強化を図りたい、こういうことでございまして、特に私どもとしては、人口十倍の国に関しましても、こういう問題がございますから、調査団も派遣をさせていただき、我が省からも参画をし、そして中国の側とそういう個々の問題についても折衝させていただき、そして中国にも理解をしていただく、こういうことも取り組んでいることもあわせてお答えをさせていただきたい、このように思っています。

○田中(慶)委員 いずれにしても、これは大変な深刻な企業環境になってきていると思いますから、経済産業省を中心としてこの不正競争防止の問題にもう少し力を入れていかないと、結果的にこの国の将来というものが心配されるわけでありますので、しっかりと対応していかなければいけないんだろうと思っております。
 その中で、例えば営業秘密の保護のための刑罰を適用することについて、国際的に、フランスとかイタリアとかアメリカとかの、刑法によって処罰すべきであると考える、不正競争防止法の罰則の規定という、罰則をある面では強化していかなければいけないわけですけれども、きょうは警視庁が来ていますかね、その辺をどのように検討されているのか、お伺いしたいと思います。

○平沼国務大臣 議員御指摘のイタリアあるいは中国のように営業秘密を刑法によって保護している国、あるいは米国のように特別法によって保護している国もあればドイツとかお隣の韓国のように、私どもの本法案と同じように、不正競争防止法によって保護している国もあるわけでございます。フランスは、これは刑法ではなくて労働法によって保護されている、このように理解しております。
 昨年七月の知的財産戦略大綱においては、不正競争防止法改正による民事、刑事両面にわたる営業秘密の保護強化につきまして、人材流動化に対する抑止効果など、それらに伴って生じ得る問題点に配慮しながら、二〇〇三年の通常国会に改正法案を提出する、このように決定されたわけでございます。
 それを受けて、当省として、今般、我が国産業の競争力強化の観点から特に緊急性の高い営業秘密の保護強化を目的といたしまして、不正競争防止法の一部改正によりその刑事的保護の導入を個別に行うように、こういうふうにいたしたわけでございます。
 したがって、私どもとしてはそういう対処をした、こういうことを御理解いただきたい、こういうふうに思っているところでございます。

○田中(慶)委員 いずれにしても、この一つのルールとして、知的財産なり、あるいはまた不正競争の問題も国際化していくわけですから、ある国では民事であるとか、ある国では刑事である、あるいは特別法であるとか、そういうことではなくして、非常にその辺を執行しやすいような体系をつくっていくことが望ましいんだろう、このように思っております。申し上げておきたいと思います。
 そこで、実はこれは文科省と、きょうは法務省も来ていただいておりますけれども、ロースクールの問題が検討されているわけでありまして、二〇〇四年というから来年、一応このロースクールがスタートするわけでありますけれども、この中で、今問題になっておりますような知的財産の問題、調べていっても、カリキュラムの中にはほんの少ししか入っていない。
 こういうことなので、まず、ロースクール問題等、法科大学院問題等について、これは文科省、法務省、経済産業省、協力をしながら、しっかりと、今問題になっているようなこともカリキュラムの中に導入しながら専門家の育成というものをしていかなければ、先ほどの時間短縮の問題、例えば、警察についても、こんなことを言っては大変失礼ですけれども、専門家というのは日本には少ない。だから、結果として、それが裁判であろうと何であろうと長くなってくる。
 こういうことを含めて、ロースクールをつくる段階でそういう専門家養成をもう少しカリキュラムを見直しをしながらやっていくとか、あるいはその中に入れられないのであれば別建てで専門家育成をするようなことを考えていかないと、日本が今知的財産立国なり一つの戦略を立てていく上で、私は、せっかくつくるロースクールというものが意味をなさないのじゃないかな、こんなふうに思いますけれども、それぞれ、文科省も法務省、そして今警察庁がお見えいただいておりますけれども、これも含めて正直に、現状はこうだからこうして、これからできる学校ですからこうした方がいいとか、いろいろなことを聞かせていただきたいと思います。

○遠藤政府参考人 法科大学院のカリキュラムでございますが、設置基準で、科目群といたしまして、法律基本科目、法律実務基礎科目、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目、この四つの授業科目を開設する、こうなっておりまして、知的財産に関する授業科目はこれらの科目群のうち主に展開・先端科目ということで開設される、こういうふうに理解をしてございます。
 平成十三年の十二月に、司法制度改革推進本部事務局が法科大学院を開設しようとしている大学に、どういう科目を開設するんですかということで調査をしてございますが、その中で知的財産に関する科目の開設を予定していると回答した大学が九十一大学中七十八大学と、大半の大学が開設したい、こう言っております。
 ただ、それがどの程度の広がりを持って開設されるかという点につきましては、今大学の方で設置認可申請に向けてカリキュラムの検討中でございまして、はっきりしたところはまだ見えてきていないという現状でございます。
 ただ、知的財産の実務に携わる人材養成に関しまして、そういった大学関係者その他のそういう関係者の間で、「知的財産専門職大学院の教育課程について」、こういうことで、知的財産を専門に扱う専門職大学院、これをつくる際にはこういうカリキュラムでやってはどうかというのをこの三月にまとめてございます。これは関係各大学に、私どもは協力して送付しておりますけれども、法科大学院におきましてもこのカリキュラムを参考にしてぜひ広がりを持った教育をしていただきたい、こう考えておる次第でございます。

○寺田政府参考人 私どもも知的財産を戦略としてとらえた場合に、やはり質の高い専門家を養成するということが喫緊の課題だという同じ認識でございます。
 それで、今度できます、開校が来年四月に予定されております法科大学院でございますが、この法科大学院をつくりますのも、こういう現実のニーズに、社会のニーズに対応した新しい法律専門家をつくるという意味がありますので、この法科大学院をつくる上においては、やはり知的財産のような科目が重視されるということは基本的には望ましいことだと考えております。
 法科大学院は、これまでの法律専門家をつくるプロセスから比べますと、三つの点で特色があるわけでございますが、一つは、入学する者が、これまでは法律の専門をすることだけを考えてやってきたわけでございますけれども、これからは理科系のバックグラウンドを持つ方々というのも入ってこられるわけであります。
 それからまた、教える側でございますが、これは今、国会でも御審議いただいておりますけれども、いろいろな実務家をできる限り幅広く派遣できるような体制を整えていく、これが現実に法科大学院を生かしていく道であろう、こう考えております。
 三つ目が、今委員が御指摘になったカリキュラムの問題でございまして、ただいま文部科学省の方からも御説明がありましたように、展開・先端科目ということで、できるだけそれぞれの創意工夫を生かしてロースクールの関係者が御努力いただくというのが一番の筋であろうかと思っておりますが、私どももできるだけそれに協力できるような体制を整えてまいりたい、このように考えております。

○瀬川政府参考人 お答えいたします。
 知的財産権侵害事案に対してでありますが、近年大変増加をしておりまして、平成十四年中、私どもは二百四十六事件四百三十五人を検挙しているところでございます。
 ただいま議題となっております不正競争防止法違反事件につきましても、この知的財産権侵害事案の捜査を専ら担当いたします必要な知識あるいは経験を持っております生活経済部門の捜査員においてこれを担当するということでございます。
 例えば、営業秘密に関する事案につきましても、昨年度も不正アクセス禁止法違反事件でありますとかあるいは恐喝未遂というような形で事件検挙がございますし、また、不正競争防止法違反事件につきましても、昨年は二十四件三十人の検挙ということでございます。
 近年、この種生活経済事案が大変悪質化し、かつ多発をして、年々増加をしておりまして、体制の拡充強化に努めているところであります。
 また、十分な知識等を得るように、しっかり部内教養にも努めてまいりたい、こう考えております。

○平沼国務大臣 御指摘の法科大学院それから専門職大学、これは非常に大切だと思っておりまして、私どもとしては、将来的には、御指摘のような知的財産、そういったことに着目をして重点化した、そういうものも必要だと思っております。
 当面は、審査官でございますとか審判員ですとか、そういった専門家をやはり派遣をして、そしてその法科大学院等の強化に尽力をしていかなければいけない、こんなふうに思っております。

○田中(慶)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、どうか、本当に知的財産立国としてふさわしいような体系を、それぞれ組織上もあるいは実態上も、また特許庁を含めて、長官を含めて、全部が一体となって一つの方向に向けて努力をしていただくように要望して終わります。

衆議院ホームページより転載