|



民主党幹事長 鳩山由紀夫
お集まりの皆さん、こんばんは。外は雨が降りはじめてしまいましたが、一日の疲れがおありの中で大勢の皆さまにお運びくださいましたことを民主党の幹事長として、というより田中けいしゅうさんを敬愛している同僚の1人として、心から皆様方に感謝を申し上げます。ありがとうございます。(以下要旨)
経済音痴の自民党政治
最愛の奥さまに先立たれ、辛い気持ちでありながら、いつも私の方が彼に気を使ってもらっている。心温かいけいしゅうさんに恩義を感じているところだ。
個人的な感傷を申し上げるよりも、また株価が下った。ほとんど1週間、連続して下がっている。アメリカ発の金融危機がいよいよ日本にも上陸してしまって円高が凄いピッチで進んでいる。政策通といわれ、担当大臣の与謝野馨さんはアメリカの金融不況は「蜂に刺されたようなものだ」と、そのくらいの認識だった。総裁選はつい最近までやっていたが、そのくらいの発想で日本は大したことはありませんと、うそぶいていた。それが政権与党で、一番経済に詳しいといわれる方からの言葉だった。そのとき私は、信じられない思いだった。
既に昨年から物価が上がって原油が高くなっていた。サブプライムローンも2年前くらいからの話だ。私たちは昨年の段階から緊急経済対策を打たなければいけないと主張してきた。今年の4月にはガソリンの暫定税率を1ヶ月でも下げさせていただいたのも、物価が上がって困っている方がたくさんいる、その方々にとって少しでも暮らしを楽にする、それが政治ではないかということで、暫定税率廃止を提唱させていただいた。その1ヶ月も、政府は「冗談じゃあない」と元に戻してしまった。
中小企業を救う政策を
今年の夏くらいまで、「イザナギ景気を超える日本の経済だ」と自慢して胸をはっていた。まったく経済音痴だと申し上げなければならない。このような感覚を持ち、何でこのようになってしまうか、私にもわからない。だから、経済がわかっている政治家が日本には必要だ。
民主党にも経済通が何人かいる。特に、皆さん方と一緒に暮らしながら、一番困っている例えば中小企業の気持ちを一番理解しているのは田中けいしゅうさんだ。けいしゅうさんが今、野党の民主党ではなく、与党の民主党で大臣をやっていれば、このようにはならなかった。そのことを考えると、政治は恐ろしいものだと思うし、私たちが与党で政権を取れていなことで皆さん方に申し訳ない環境をつくりだしてしまっていることを反省しなければいけない。
日本の将来を誤らせる官僚任せの政治
なぜ、日本の政治が間違ってしまっているか、本来なら打つべき手が打てずに、なぜ後手後手になってしまうのか。政策も間違った方向になってしまうのか。
私は元自民党の議員だったからよくわかる。自民党がすべて悪いとはいわない。最初に自民党をつくったのがうちのじいさん(鳩山一郎)だからと(笑)、そういうこともある。でも、長く権力の座についていると胡座をかいてしまって、一番の目的は大臣になることになってしまう。大臣になった後、政策は役所に任せればいいと官僚任せにしてしまう。そして自分たちはポストを求めればいい、そして政、官の間で馴れ合いでお互いに甘い汁を吸っている。
75歳以上の方にとって「冗談じゃない、ふざけるな」と、そんな思いの後期高齢者医療制度は廃止する。なぜ、こんなばかばかしい制度ができあがってしまったか。それは官僚の中の官僚といわれる財務省が厚生労働省よりも遥かに力があって「この国はカネがない、財政再建だ」と、財政再建を錦の御旗にして、社会保障という皆さん方の命の問題まで「カネが足りないから」と削ってきてしまった結果なのだ。
5000億円減らさなければいけない。「75歳以上の年寄りはカネを持っている。そこから5000億円くらい減らしたって大丈夫だ」と、安易な発想で診療報酬体系を変えた。だからお年寄りが今までと同じに、病気になってもこのようなばかげた発想ではなく、お歳をとられてもますます健康でいれば、結果として医療費は安くなる、その発想がまるでない。
求められている、道路より命を大切にする政治
茨城県の小さな村の村長さんが民主党から立候補することになった。その裏では歳をとっても元気になるためにさまざまな方法を考えて、結果として医療費を半減させた。小さな村のことで日本全体に当てはめることは簡単ではないが、現実にはできる。できるにもかかわらず、まったく逆に財務省の発想でカネが足りないから診療報酬体系を変えるなどという、ムチャクチャな方向から制度がつくられた。結果として皆さんが怒るのは当たり前だ。
道路より命を大切にする政治を呼び戻したい。今の政権は命より道路の方が大切なのだ。道路の特定財源で民主党が参議院で勝たせていただいた結果によって、福田総理のときに来年度からの一般財源化を認めることになった。これは進歩だが、「必要な道路はつくる。そして余ったカネを他にまわす」という話だ。これでは優先順位がまるで逆、結局は変わっていない。
道路の渋滞は確かにある。私の選挙区は北海道で皆さん方のところより道路の要望は強い。道路が必要なことはわかる。でも、道路は1年や2年は待ってくれる。少し遅れても理解してくれる。人の命は1年、2年どころか1日2日だって待てないことがたくさんある。やはり道路より命だ。医療費も抑制させるのではない、必要な医療費は増やしてもいい。
けいしゅうさんも私も、あと10年もすれば介護が必要になるかも知れない。これから10年の間に約200万人が介護を必要とするようになる。でも介護ヘルパーは報酬が安いから毎年20万人が辞めている。介護が必要な人が増えるときに、介護で働くヘルパーが減っていくのは矛盾ではないか、これを平気にしてしまっている。
私たちはヘルパーの報酬を2割は上げてくれと法律をつくったが、蹴飛ばされてしまった。残念だが、政権を取れば蹴飛ばされることはない。
道路より命を大切にする。医療、介護、福祉をトコトン大事にする政治をもう一度つくっていく。期待していただきたい。
財源も明らかに示す
民主党の政策はバラマキだといわれる。農業での戸別補償制度を導入する、暫定税率も民主党が政権をとったらなくす、高速道路はタダにするといいことばかりをいうが、その財源がないではないかといわれる。このことには一つ一つ答えた。
12・6兆円(民主党が削減可能としている額)の全部は無駄遣いとはいわないが、天下りをなくすことでかなりの無駄を省くことができる。埋蔵金といわれるものに毎年増えていく部分もある。それを中心に拡張させていただこうとか、子ども手当に月2万6000円を中学卒業まで支払う、その代わりに子どもに対する控除が必要だとすると虫がいいので、これは遠慮していただくことなど、税収を増やすこともできる。さまざまな手段を用いて1年後には8・4兆円、2年目と3年目には各14兆円、4年目には20・5兆円の税源をキチッと示すことができる。選挙のマニフェストにキチッと書かせていただいている。
民主党への批判は「財源がない、バラマキではないか」だったが、全部答えているので安心していただきたい。
勝利して民主党政権をつくる必要がある
一方の麻生総理は民主党への批判と質問ばかりで(臨時国会は)代表質問のような所信表明だった。これに対しては小沢代表と私が(代表質問で)お答えした。しかし、彼らこそ政策をいわなかった。消費税は将来上げるのか、彼らからすれば将来上げなければならない。年金の基礎部分に関しては税負担を3分の1から2分の1にすると決めている。その分は税金で埋め合わせしなければならないのに検討するといって、その財源を明らかにしない。ボクシングをしているのではない(笑)、検討ばかりをいわれたのでは満足はできない。
麻生総理が野党の党首で小沢代表が総理のような、そんな臨時国会での所信、代表質問だった。民主党へのさなざまな批判には十分に応える能力を持ち合わせている。だから政権交代を実現させていただければ、必ず皆さん方のための民主党政権をつくることができる。そのためにも力を与えていただきたい。
即刻選挙を
文芸春秋で麻生総理は冒頭解散をいっている。内外の諸問題に目鼻をつけなければいけないことはわかっているが、最初の使命は国民の審判を仰ぎ真を問うことで、すなわち解散総選挙だ。手記の中でもうたっている。それなら、私たちも緊急の補正予算は中身に問題はあるにしろ、むしろ国民に少しでもプラスになるのであればとあえて賛成していくことを決めた。
アメリカの金融も問題はあるが、解散総選挙を最初にやりたいと書いていた麻生総理。「私は絶対逃げない」といっていた麻生総理は絶対に逃げ回っている。いろいろ調査をした結果、(総選挙は)危ないとのデータがでた。できるだけ解散を先送りしたいとの方向になっている。論文の中ではやるといっているのに、これは許せない。
「解散より景気対策だ」というが、それはウソだ。政権交代こそが最大の景気対策だ。
|