闘い続ける 前・衆議院議員田中けいしゅう

04 経営者の会


 首都高速値上げ

 首都高横羽線が500円から600円になることの疑問が出たのも、「朝の勉強会」です。早速「首都高速横羽線料金値上げに関する質問主意書」を提出しました。

 

 首都高速横羽線料金値上げに関する質問主意書 (平成十四年 五月 提出)

 今回の首都高速道路料金の値上げについては、現下の社会情勢を考えて不適当と思われる。値上げの実施を即刻中止すべきである。
 値上げの中止は道路利用者に無用な混乱を招かないためにも緊急を要するものである。
 従って、次の現状をかんがみ、今、値上げが妥当であるものなのか、質問する。
 現在、三ツ沢から羽田までの通行料金は五百円である。公団はこれを六百円に値上げしようとしている。首都高ではこれら料金を徴収する料金所が原因となり渋滞を引き起こしている。このことは周知の事実である。料金所の混雑解消のためのETC導入を図っているが、高価な車載器や使い勝手が悪いゲートシステムは有効に機能していない。むしろ、中途半端な導入が日々混雑を引き起こす原因となっている。この交通渋滞は横羽線の料金所だけの問題ではない。これら、交通渋滞の抜本的な改善策も取ろうとせず、値上げだけを先行させようとすることは納得のできるものではない。このような事情を踏まえ、今回の公団が行う累積債務の増加抑制策としての値上げには疑問を持たざるを得ない。一九九三年には一日十五万台であった首都高横羽線の通行量が二〇〇〇年には十三万台と二万台減となっている。これはバイパスの役割を果たす湾岸線ができたからばかりではなく、長引く景気の低迷でトラック等の輸送手段がコスト削減のために通行料金の節約を図って、首都高に平行して走る国道一号線に流れ込んでいるためである。その証左に国道一号線の金港町付近では一九九三年に四万台であった通行量が二〇〇〇年には六万台に増加している。一般道の交通渋滞は時間・経済ロスは勿論、交通事故の多発化、騒音、環境汚染等、社会生活に重大な影響を及ぼしている。
 通行料金の値上げは一時的な対症療法に過ぎず、中・長期的に見て決して根本的な解決策にはつながらない。民間企業は経費の削減で商品価格を下げ、売上げを伸ばして収益率を高めている。例えばBSEの影響で死活問題にまで陥ったマクドナルド、吉野家では商品単価の値下げで客足を呼び戻し、収益性は低くても販売数量の増加でマイナス面を補い、却って高い利益をあげている。このような、民間活力の導入手法を見習うべきである。
 首都公団は、本来なら無駄なコストを削減しながら収益を高め、利用者に使い勝手の良い最大のサービスを提供していくことを目指すべきである。このことを考えると、公団には公共の役割を担う基本的精神が失われてしまっている。今こそ消費マインドを高めて、景気回復の呼び水となるような効率的な交通環境をつくりだすことを真剣に考えるべきである。「足りなくなれば国民から召し上げる」、官僚的考えは時代の流れに逆行するもので、公団の運営姿勢には苦言を呈さざるを得ない。
 現下の厳しい経済状況下において、民間企業では従業員のリストラを始めとし、血の出る思いの改革に取り組んでいる。消費者、利用者の立場から考えると、この中での料金改定は適当とは思われない。むしろ値下げをして利用率を高めていく発想こそが必要である。
 値上げは無駄を省くために国が進める特殊法人改革のあり方にも逆行する。国民の総意と国の政策に反することには、絶対に反対である旨の意見を申し述べるとともに、今、なぜ値上げをする必要があるのか。
右質問する。

 

 衆議院議員田中慶秋君提出
 首都高速横羽線料金値上げに関する質問に対する答弁書

 首都高速道路の料金の額は、道路整備特別借置法(昭和三十一年法律第七号。以下「法」という。)第十一条第一項の規定により、首都高速道路の新設、改築その他の管理に要する費用を償うものであり、かつ、公正妥当なものでなければならないとされている。また、その額は、現在、過去の道路審議会の答申を踏まえ、未供用の路線であっても、その建設に要する費用が明らかになった時点で当該費用も考慮し、料金の徴収期間が五十年以内となるように定められているところである。
 このような首都高速道路の料金の額に関する考え方に基づき、首都高速道路公団(以下「公団」という。)は、平成十三年十月二十二日の神奈川県道高速湾岸線(杉田から三渓園までの区間)の供用開始に当たり、平成十八年度に全線供用開始予定である川崎市道高速縦貫線(富士見から川崎浮島ジャンクションまでの区間)の建設に要する費用も考慮し、料金の徴収期間が五十年以内となるよう料金改定を検討した結果、神奈川線の料金を引き上げることが必要であるとして、法第七条の四の規定に基づき、横浜市長、川崎市長等の道路管理者の同意を得た上で、平成十三年九月二十一日付けで国土交通大臣に認可の申請を行った。これに対し、国土交通大臣は、「高速自動車国道等の料金及び料金の徴収期間の認可に係る公聴会規定」(平成元年運輪省建設省告示第一号)の定めるところにより、周辺住民、道路利用者等の関係者から広く意見を聴取し、これらの意見も勘案した上で、神奈川線の料金の引上げを適正なものであるとして平成十三年十月十五日付けで認可したところである。なお、認可に当たり、料金改定の時期については、現下の厳しい経済情勢等にかんがみ、公団から申請のあった実施期日(同年十月二十三日)を約八か月延期して本年七月一日から実施させることとした。
 なお、公団においては、従来から、建設費及び管理費の縮減に努めているところであり、平成十二年度の建設費及び管理費を平成八年度における技術、工法等により算定した標準的な費用と比較した公団の試算によれば、建設費で約十一%、管理費で約十四%の縮減となっており、さらに、平成十二年十二月、平成十二年度から平成二十年度までの間を計画期間とする「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」を策定し、一層のコスト縮減に努めることとしていると承知している。

 

 ETC導入

 僕は、国会があるときは自分で車を運転して出かけます。国会内での勉強会や、委員会審議に先立って行われる理事会などは、8時には始まります。この時間に間に合わせるために6時過ぎには横浜市の家を出なければなりません。
 途中、事故による渋滞を予測し、充分時間の余裕をとっていますが、それでも国会到着がぎりぎりになることがあります。その原因は料金所での混雑によるものです。通行料を払うために、料金所でいちいち止まらなくてはなりません。そうすると、車が数珠つなぎになり渋滞を引き起こすのです。渋滞に嵌まったドライバーは、半ばあきらめの心境ではないでしょうか。気持ちは焦ってもどうしようもできず、みんなうんざりした表情をしています。僕は、当初テスト段階にあった料金所での自動料金収受システム(ETC)を、一日でも早く普及させればいいと、いつも思っていました。

 ETCは料金所を通過する際、無線で課金するシステムで、渋滞緩和に加え、渋滞が減ることにより、大気汚染や騷音などの環境改善にも役立ちます。ETCを利用する車は、現在全国の料金所を通過する車の六・八%程度ですが、この利用率を50%まで高められれば、料金所の渋滞はほとんど解消される見通しだと言われています。
 僕は、予算委員会で扇国土交通大臣 に「ラジオの交通情報を聞いていると、10年前と比べても渋滞箇所は依然として改善されていない。首都圏の渋滞箇所を重点的に改善していくことが必要だ」と、国の渋滞解消の取り組みの遅れを指摘したことがあります。

 国は、ETCの高価な車載器を売ることは考えても、ユーザーの立場では考えていないと思いました。自動車メーカーも、車への標準搭載を進めることの負担をある程度負ってもいいと思います。

 ETCの全面導入は料金所の渋滞解消ばかりではなく、環境対策にも役立ちます。そして、何よりも全国に約15000人いる料金所の徴収員削減が可能となり、大幅な合理化にもつながります。ETCの導入は省力化の大きな課題でもあるわけです。夜間の半額割引や、区間ごとの料金設定などを考えていけば、おのずと利用頻度が高まって収益性も上がってきます。
 こんな趣旨で、早期導入の要求を行いました。この、僕の要求に応えるように、ETCの普及を加速させることに、国は漸く動き出すこととなったのです。

 2001年春の開始から2年余りがたちます。今年6月で、ETC搭載車が100万台を超えました。割引車載器の割引キャンペーン、通行料金の長距離割引で普及速度はカーナビゲーションを上回るようになりました。障害者割引も実施されることが決まりました。とにかく、ETCが付いていないと、料金所を通るとき肩身の狭い思いをするくらいでないと駄目です。効果を高めるには一気に普及させる、そして料金所はすべて撤去する。このくらいの思い切った取り組みで進めていくべきだ、と僕は思っています。
 高速道路は渋滞のない快適道路でなければ意味がありません。渋滞が解消されれば、ストレスがたまらない分、イライラによる事故も減るのではないでしょうか。

 

 首都高速道路公団のETC導入と体質改善に関する質問主意書 (平成十四年五月 提出)

 特殊法人の非効率化がいわれている。首都高速道路公団(以下、「首都公団」という)はここ数年、収益が減少し、渋滞緩和についての努力も認められない。道路運営がマンネリ化する中で、ETCの導入は、人件費等の削減、料金所渋滞の解消につながるものとして期待された。しかし、その成果は未だ見られない。これでは、本気で普及を図ろうとしているのか疑問である。首都公団の業務体質に問題があるのではないか。ETCの普及を図るためには、民間企業並の徹底した体質改善が必要ではないかと考える。
 首都公団は事業収入がマイナスになれば通行料金を値上げして穴埋めしていこうとする安易な体質を変えていかなければならない。鳴り物入りでETCを導入したにもかかわらず、普及が遅々として進んでいない。これは首都公団と利用者の間にETCに対する考え方の基本的な違いがあるからではないのか。
 利用者は、より経済的な面を考えて高速道路を利用している。例えば、ハイウェイカードは購入時点で割引料金分が付加されている上に、金券ショップ等での購入はさらに値引きされて手に入る。これに対し、国交省は一部に割引料金の設定への検討を始めているが、ETCの利用は一般通行割引料金と変わらない。ETCの導入で経費が削減されていることからすれば、さらに大幅な通行料金の削減が図れるはずである。また、削減されていかなければ、ETC導入の本来の意味を失することになる。一般通行割引料金と格差をつけるなど、ETCの利用頻度を高めるための積極的な工夫をすべきである。
 通行料金を日本道路公団(以下、「道路公団」という)が下げないから、首都公団も下げなくていい。仮にこのような理屈を通すなら、自由主義経済の中で市場原理に反する基本的な過ちを犯しており、コスト意識に欠けた横並び主義は利用者軽視も甚だしいと言わざるを得ない。
民間企業の場合、電力会社を例にとれば夜間、休祭日利用などに使用料金の工夫を行い、割引料金を設定しながら収益を上げるための努力を重ねている。これらの努力は利用者に不便をかけることなく、むしろ使いやすい環境を提供し、収益を伸ばしている。
 これに比べて道路公団及び首都公団は一年・二十四時間、夜間も休祭日も同一料金を設定し、通行量の少ない時間帯等の割引料金設定で、利用者の利便性を考えるなどの工夫が見られない。これは首都公団の努力不足の表れである。ETCカードにしても大幅な利用料金の値下げを行い、このことで利用者数を増やす努力をするべきである。
従って以下、質問する。

 一、車載器普及の対策について
 車載器が普及しない原因の一つに価格の高さがあげられる。普及が見込めなければETCシステムは浸透していかない。このシステムは三〇〜四〇%の利用がなければ、料金所の渋滞緩和に役立たない。このことは欧米の経験からもはっきりしている。ニューヨーク周辺の朝夕のラッシュアワーには、約七〇%がETCに匹敵する『E‐Z Pass』を利用し、料金所の渋滞はほとんど解消されていると言う。車載器を普及させるための具体的な努力計画はあるのか。

 二、道路公団、首都公団の一本化について
 利便性の向上の名のもとに、利用者サービスが足りず、結果として収益が落ち込んでいる。健全経営化を図っていくためには、道路公団と首都公団の分離は多いに問題がある。境界点に設けられているこれらの料金所が通行のネックとなり、公害、時間ロス、経済ロスを引き起こす原因となっている。これを減らすことで、スムーズな車の流れが生まれて利用者サービスにつながることは間違いない。料金の収受技術を別途駆使して、道路公団、首都公団を一本化していく考えはないか。
 また、現在道路公団が管轄する横浜新道は軽車両と普通車両の通行料金が異なっている。しかし、首都公団が管轄する首都高速では軽車両と普通車両の通行料金は同一となっている。これは整合性に欠けているのではないか。

 三、割引料金制度の導入について
 現在の一律通行料金を、ETCの割引と合わせて距離による料金体系を設定することで、より利用者が増え、収益とサービス向上につながる料金システムを考えるべきではないか。

 四、領収書の発行、通行ゲートの改善について
 ETCシステムによる通行ゲートの誤作動や領収書の発行問題が指摘されている。この点についても早急に対策をたて、利用者優先の徹底した改善策を講じることが望まれる。これをいつまでに実現していこうとするのか。

 五、経営努力を促す体質改善について
 料金収入の四二%が借入金の利払いに回されている。民間企業なら、当然倒産状態にある。財投の六%金利を市場金利、すなわちゼロに下げれば少なくとも三〇%は減り、値下げの必要はなくなるが、これらの資金面の問題をどのように考えているのか。また、民間の経営努力に見習い、効率性、サービスの向上につながるETCシステムのあり方を考え、首都公団も思い切った体質の改善が必要なのではないか。

 右に挙げた一から五までの問題に何の対策も講じず、努力の後も見られない状況にもかかわらず、五月二十八日付の首都高速横羽線料金値上げに関する質問に対する答弁書には、計画通りの料金値上げを実施するとある。このことについて納得がいかない。
右質問する。

 

 衆議院議員田中慶秋君提出
 首都高速道路公団のETC導入と体質改善に関する質問に対する答弁書

 一について
 ノンストップ自動料金支払いシステム(以下「ETC」という。)に係る車載器の普及に関する具体的な計画は定めていないが、日本道路公団、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団(以下「日本道路公団等」という。)においては、ETCの利用者の負担の軽減を図り、これによりその利用を促進するため、平成十三年十一月から平成十六年六月までETC期間限定特別割引を実施していると承知している。
 なお、平成十二年十一月の道路審議会答申(以下「答申」という。)において、ETC専用車線の整備やETCの普及を踏まえた多様な料金施策の検討等の提言がなされているほか、平成十三年三月に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部で策定された「e‐Japan重点計画」において、平成十四年度末までに全国の主要な料金所にETCを導入することとされており、これらを踏まえ、ETCの導入による料金所における交通安全上の影響や渋滞緩和の効果を見極めつつ、日本道路公団等を指導しているところである。

 二について
 ETCを利用すれば料金所でいったん停車することなく料金の支払を行うことが可能であり、これは首都高速道路と他の有料道路との境界点における料金所においても同様であるから、今後ETCが普及すればこれらの料金所に起因する渋滞の緩和が期待されると考えており、より一層のETCの普及促進に努めていく考えである。
 また、首都高速道路については、日本道路公団が管理する横浜新道等の道路と比べて、料金徴収手続をより効率的に行うことで首都圏における大量の交通を円滑に処埋することを優先するため、車種区分を二車種に簡素化しているものであるが、首都高速道路等の車種区分については、答申において「ETCの普及状況を踏まえつつ、細分化する方向で検討する必要がある。」との提言がなされているところであり、今後の課題として検討していく考えである。

 三について
 首都高速道路の出口にETCに係る路側アンテナを設置することにより、交通の円滑な処理に支障を与えることなく、利用距離に応じた料金設定が技術的には可能となるが、今後、ETCの普及状況も踏まえつつ、利用距離の要素を勘案した料金体系について検討していく考えである。

 四について
ETCによる有料道路の利用履歴は、クレジットカード会社等が発行する明細請求書や市販の専用プリンター等を使用して印刷された利用明細をもって確認することが可能であり、料金所において領収書等を受け取ることができないことによる不都合は生じないと考える。
 料金所におけるETCの誤作動については、日本道路公団等において、電波吸収体の設置による乱反射の防止等の措置を既に講じたところであるほか、車載器製造会社等とも連携を図りながら、車載器販売店等への車載器の取付方法に関する広報や有料道路利用者へのETCの利用方法に関する広報の実施等により、適切に対策に努めているところであると承知している。国土交通省においても、対策の目標年次を具体的に定めているものではないが、誤作動の根絶が速やかに図られるよう日本道路公団等を指導していくこととしている。

 五について
 首都高速道路公団(以下「公団」という。)においては、その事業に要する資金は長期間安定的で低利であることが重要であることから、財政投融資を中心とした資金の調達を行なっているところであり、本事業年度においても、このような考え方に基づき資金の調達が行われると承知している。なお、公団における財政投融資の事業年度末残高の平均利率は、昭和五十七事業年度以降低下傾向にあり、平成十三事業年度末残高の平均利率は二・九八%であると承知しており、近年の低金利状況が継続すれば、当面は、この傾向が続くものと見込まれる。また、公団においては、これまで、組織の統廃合、建設費及び管理費の縮減、料金所渋滞対策の実施等の施策を講じてきたところであるが、今後とも、平成十二年十二月に策定した「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」に基づく一層の建設費及び管理費の縮減、料金所における渋滞緩和に資するETCの普及促進等を実施していくと承知しており、国土交通省においても、公団に対し、適切に指導していくこととしている。
 なお、直近の公団の決算である平成十二事業年度決算において、公団の借入金に対する返済額の累計である償還準備金の額は一兆三千四百三十四億円であり、公団が同事業年度末に計画していた一兆三千二百二億円を上回り、順調な償還が行われていると承知している。

2003年9月出版本「日本の進むべき道」より転載

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